お金の引き出しや振り込みに便利なATM。最近では、銀行のみならず、コンビニなど身近な場所に設置されているも多くなり、私たちの生活に欠かせない存在となりました。さて、普段何気なく使っているATMですが、その仕組みはあまり詳しく知らないものです。そこで本稿では、ATMではどのような操作ができるのか、また、気になるATM手数料についてまとめてみました。

  • 手数料で貧乏に? 知って得する「ATM」のしくみ

    手数料で貧乏に? 知って得する「ATM」のしくみ

ATMとはどんな機械?

ATMとは、「Automatic Teller Machine」の頭文字を取ったもので、日本語では「現金自動預け払い機」と言います。ATMでは、通帳やカードを使って様々な操作が可能。たとえば、現金の預け入れや引き出し、他の口座や他行への振り込みを行う機会は多いのではないでしょうか。そのほかにも、口座に残っている金額を確認する「残高照会」や、口座の取引履歴を預金通帳に印字する「記帳」、また、「振替」などの操作もATMで可能です。振替とは、同一銀行の同一支店内の口座間で資金を移動させることで、本人名義の別口座への送金、たとえば、普通預金口座から貯蓄預金口座へお金を移す場合などを言います。

さらには、キャッシュカードの暗証番号の変更や、定期預金の預け入れ、一日の引き出し・振り込み限度額の変更なども行うことができます。ATMでは、意外にも様々な操作が可能なのです。また、ATMの中には、クレジットカードでATMから現金を借りる「キャッシング」サービスが利用できるものもあります。こうしたATMでは、クレジットカードのショッピング枠の支払いや、キャッシングで借りたお金の返済も行うことができるのです。

なお、現金の引き出しのみ可能な機械は、「キャッシュディスペンサー(CD:Cash Dispenser)」と言います。CDが進化したものがATMですが、これらを総称してATMと呼ぶこともあります。ATMは、銀行の支店や出張所などに設置されていますが、近ごろは、コンビニやショッピングモールなどの商業施設、また、駅の中などでも多く見かけるようになりました。お金の振り込みを忘れていた、急な出費で現金が必要になったという時にも、様々なところでATMが使えるようになり、便利になったと感じている人は多いのではないでしょうか。

知っておきたいATM手数料について

ATMを利用する上で最も気になるのは、「手数料」ですよね。できることなら無料、もしくは安い手数料で入出金や振り込みがしたいものです。では、ATM手数料がかかる理由や、手数料がお得になるATMの使い方について解説しましょう。

<ATM手数料はなぜ発生する?>

ATMを利用する時にかかる手数料。銀行にお金を預けても利息がほとんどつかない今の時代、振り込みはともかく、自分の口座からお金を引き出すだけで費用がかかるのはもったいないと感じてしまうものです。では、なぜATM手数料はかかるのでしょうか。

ATM手数料がかかる主な理由としては、ATMを設置し維持していくためのコストの一部を利用者が負担しているためです。ATMを利用するためには、ATM本体の費用や設置費用に加え、設置している店舗の賃料、電気代、お金を補充する人件費やセキュリティにかかる費用など様々なコストがかかります。特にコンビニATMは、時間の制約がなく、普段立ち寄る店舗で利用できる利便性がありますが、そうした便利さと引き換えに、利用者がサービスの対価として手数料を支払っているのです。

「ATMは、機械がお金の処理をしているのに、手数料がかかるなんて変だ」「ATM手数料で利益を出しているのでは」と考えてしまいますが、ATM手数料は、私たちが便利さを享受するための必要経費なのです。ただ、それでもお金をかけずにATMを使えれば、それに越したことはありません。ATM手数料をお得にするには、どう使えばいいのでしょうか。

<ATM手数料がお得になる使い方>

●ネット銀行の活用がおすすめ
店舗型の銀行と比べ、ATM手数料や振込手数料が格安に設定されているネット銀行。ネット銀行をうまく活用すれば、手数料をかなり節約することができますので、おすすめです。

たとえば「SBJ銀行」は、セブン-イレブン(セブン銀行)とミニストップ(イオン銀行)では月何回でも、ファミリーマート(E-net)では月10回まで、ゆうちょ銀行とみずほ銀行は月3回まで、ATMから手数料無料で現金の引き出しができます。また、「東京スター銀行」では、メガバンクやゆうちょ銀行などの提携金融機関ATM、コンビニATMからの出金手数料が月8回まで無料となります(ATMの利用時には手数料がかかるが、翌月キャッシュバックされる)。

「住信SBIネット銀行」や「ソニー銀行」は、取引実績のランクによって、コンビニATMからの出金手数料無料の回数が決まる仕組みです。住信SBIネット銀行は、月2回~最大15回まで、ソニー銀行は、月4回~無制限で手数料無料で引き出しが行えます。さらに、ソニー銀行は、ゆうちょ銀行ATM,コンビニATM(セブン銀行、イオン銀行、ローソン銀行、E-net)のほか、三菱UFJ銀行、三井住友銀行から手数料無料で入金が可能です。三菱UFJ銀行や三井住友銀行に振り込まれた給与を無料でソニー銀行の口座へ移すこともできますね。

このように、手数料無料の回数に上限があったり、提携先ATMや取引ランクなどの制限があったりするものの、工夫をすれば、お金をかけずに現金を引き出せるのです。

●メガバンクでも手数料がお得に
ネット銀行と比較すると、手数料では魅力を感じにくいメガバンク。しかし、メガバンクが提供するサービスに申し込むことで、手数料がお得になるケースがあります。

たとえば、みずほ銀行の「みずほマイレージクラブ」に入会すると、取引状況に応じてATM手数料が無料になる特典を受けることができます。各種預金の月末最終残高が30万円以上あれば、みずほ銀行ATMとイオン銀行ATMでは利用手数料や時間外手数料が無料に、コンビニATM(セブン銀行、ローソン、E-net)では、利用手数料や時間外手数料が月4回まで無料で利用できます。

ATMを賢く使いこなそう

ATMについて詳しく知ってみると、今まで以上に便利な存在に思えてきますね。手数料については、少しでも抑えられるよう意識するだけで、長い目で見るとかなりの節約になります。ATMを賢く使いこなし、お得になるようしっかりお金の管理をしましょう。