――現在のリュウソウジャーは、龍井尚久のラボにいるコウ、メルト、アスナの"幼なじみトリオ"と、トワ・バンバ兄弟、そして海のリュウソウ族のカナロという感じに分かれていますが、幼なじみトリオ同士で演技の打ち合わせとか、お話をされることってありますか?

もちろんあります。実際にもみんなと仲がいいんですけれど、特にこの3人はいちばん初めのホン読みのときからずっと一緒にやってきていますから。3人でいるときはもっともリラックスできる時間になります。そんな落ち着いた空気が、芝居にも出てきていますね。ラボでのシーンは、3人で話し合ってアドリブを入れるとか、いろいろ仕掛けています。この3人だからこそ出せる空気感があって、アドリブの部分では自然にメルトとして言葉が出てきて、コウやアスナとのかけあいがスムーズに行くことが多いんです。幼なじみの役柄どおりというか、メルト、アスナ、コウとして一緒にいる空間が心地よいものになっています。

――第7、8話での坂本浩一監督回では、みなさんがそれぞれ激しい剣さばきで立ち回りを披露されていましたが、綱さんはアクションについてはどんな考えを抱いていますか?

僕はアクションシーンが大好きで、中でも剣を使った立ち回りはどんどんやりたいんです。もう、剣を持っているだけで楽しい(笑)。アクションのある日は、スーツアクターさんたちから"型"を教えていただくんですけれど、そのときはほんとうに気合いが入りますね。あっ、もちろんお芝居に気合いが入っていないわけじゃないですよ。アクションのときはいっそう楽しさとやる気が増してくるんです。

第1話でメルトがコウと剣の稽古をするシーンがあったんですが、第7,8話、第15、16話、第17、18話などで行った剣でのアクションと比べると、もう比較にならないくらい今のほうが上達しています。それは自分でやっていて、手ごたえとしてわかります。メルトはみんなの中でいちばん"騎士"感の強い、スマートな剣のふるい方を意識していて、リュウソウブルーのスーツアクターをされている高田将司さんに立ち回りの手を教えてもらって、頑張っています。たとえば、右手で剣を持って戦っている際、左手を腰に当てているとか、こういった仕草で動きがとてもスマートに見えるんです。これからもどんどんアクションシーンに挑戦していきたいので、ぜひご注目してください。

――第12話「灼熱の幻影」では、マイナソーが見せた幻影として巨大になったメルトがディメボルケーノと戦う、といった珍しいシーンがありました。特撮のステージに立ってミニチュアのビルに囲まれるといった経験は珍しいと思いますが、実際に立ってみてどう思われましたか?

スタッフの方たちからも「すごい稀なことだよ」と聞いていましたので、現場に行くのが楽しみでした。普段は入らない特撮のセットに入れて、裏側を知ることができていい経験になりました。お芝居の面でもキシリュウオーディメボルケーノに斬られて、「うわあああっ」ってリアクションを取ったのが面白かったです。

――現在公開中の映画『騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!』では、テレビとは少し印象の異なるメルトの姿が描かれるとうかがいましたが、それはどんなところでしょ うか?

映画の後半部分ではレッドが単独で動くため、ブルー、ピンク、グリーン、ブラックのチームが別行動になるんです。レッドが傍にいなくなったことで、ブルーがレッドの役回りになる、という部分が大きなポイントだといえるでしょうね。それまではメルトがコウとアスナを仕切る、みたいなシーンがありましたが、トワ、バンバをも引っ張っていく、というのは映画が初めてになるんじゃないかなと思います。そんなわけで、台本を読んだときはどういうお芝居で行こうかと考えました。それでなくても、6500万年前の恐竜時代に飛ばされてしまいますし、芝居については難しいことが多かったです。

――恐竜時代で本物の恐竜に遭遇するほか、福井県の恐竜博物館でもロケをされていますし、テレビシリーズ以上に"恐竜"とのふれあいが多くなっているようですね。

そうなんです。恐竜博物館で実物の恐竜と出会ったことによって、僕たちが恐竜モチーフのスーパー戦隊なんだなあって、改めて実感がわきました。

――映画の撮影を経験したことによって、メルトも綱さんも今まで以上に"たくましく"なったと思っていいでしょうか?

いいですよ。最近、筋トレを始めましたし(笑)。筋肉を増やして、もっと剣を軽やかに振るえるようになるとか、よりハードなアクションもクリアできるよう頑張るつもりです!

――映画が公開され、ますます快調な『リュウソウジャー』ですが、今後のテレビシリーズではメルトとしてどんなことをやっていきたいか、綱さん自身の希望や抱負を聞かせてください。

今まで以上に、メルトが仲間から期待されたり、みんなを引っ張っていくようなシーンがほしいと思いますね。第11話「炎のクイズ王」ではディメボルケーノとクイズ対決をするとき、メルトに仲間からの期待がかかっていましたが、こんどはマイナソーを前にして、クイズではなく"戦い"においてメルトが期待されるような状況があったらうれしいです。倒し方がわからないマイナソーに苦戦し、みんなが「メルト、どうしたらいい?」と頼ってきて、そして倒す! 特に、戦闘経験が豊富なバンバから期待をかけられたいですね(笑)。

劇場版「ジオウ・リュウソウジャー」製作委員会 (C)2019 テレビ朝日・東映 AG・東映