公開中の映画『騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!』は、現在テレビ朝日系で好評放送中の特撮テレビドラマ『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の初の劇場版となる。本作では、リュウソウジャーが6500万年前の恐竜時代へとタイムスリップするほか、映画だけの登場となる騎士竜・キシリュウジンや謎の戦士ガイソーグとリュウソウレッドとの激闘など、見せ場で固められた超娯楽大作に仕上がっている。

  • 兵頭功海(ひょうどう・かつみ)。1998年生まれ、福岡県出身。2018年 GYAOとAmuseが共同実施したオーディション『NEW CINEMA PROJECT』の「出演者」部門でグランプリを受賞し、映画『五億円のじんせい』(2019年)に出演する権利を獲得。AbamaTVの配信作品『恋愛ドラマな恋がしたい2』(2019年)を経て、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』第14話よりリュウソウゴールド/カナロ役でレギュラー出演する。撮影:宮川朋久

6月23日に放送されたテレビシリーズ第14話「黄金の騎士」から登場した新戦士・リュウソウゴールド/カナロは、"陸のリュウソウ族"と呼ばれるリュウソウレッド/コウ(演:一ノ瀬颯)たちと違って、海中に潜って暮らしてきた"海のリュウソウ族"の末裔という設定。衰退した海のリュウソウ族を復興させるべく、"婚活"を真剣に行っているが、人間の女性にはなかなか相手にされない……というユニークなキャラクターであり、劇場版でも短い出番ながら、印象的な動きを見せている。ここでは、何をするにしても一直線という生真面目で、大の"節約"好きというカナロを演じて注目を集めている兵頭功海にインタビューを行い、変身ヒーローを演じることについての楽しさや難しさ、そして映画での"活躍"シーン、そしてリュウソウジャーの仲間たちと出会ったときの印象、カナロを演じていくにあたっての意気込みを尋ねた。

――まずは兵頭さんがリュウソウゴールド/カナロの役をつかんだときのことからお話を聞かせてもらえますか。

オーディションで選んでいただいたのですが、最初は追加戦士のオーディションだと思ってなくて、戦隊の「レッド」になるつもりで受けに行ったんですよ。だからオーディション会場に向かう電車の中でリュウソウジャーのことを検索したら、5人のキャスト情報が出てきて、「えっ、もう決まってるの? じゃあ俺はこれから何をしに行くんだろう」とびっくりしたんです。でも、そこで初めて追加戦士という、重要な役のオーディションだったことを知ったんです。

カナロという役は、海のリュウソウ族という設定なのですが、僕の名前にも"海"という字が入っていて、決めていただいたときには「運命」を感じましたね(笑)。また、『リュウソウジャー』が、「平成」と「令和」の2つの元号をまたいでいる作品で、しかも令和になって最初に登場する追加戦士がカナロ、というのも、すごく光栄なことだと思っています。今後、令和一発目のヒーローはリュウソウゴールドだ、というように、記録に残る存在になりますので、そこは良い意味で自分にプレッシャーをかけて、責任感を持って役に取り組みたいという気持ちが強まりました。

――カナロ役として、最初に撮影に入られたシーンはどこですか?

劇場版の、福井の恐竜博物館にいるシーンが最初です。撮影のときはまだ僕が追加戦士として登場することは発表されていなかったので、エキストラで集まってくれた子どもたちは、僕が誰なのかわからなくて、会ってもポカーンとされていたんです(笑)。一ノ瀬(颯)くんたちは「コウだ~!」なんて言われてすぐ囲まれていましたが、そのときは僕がヒーローになったという感覚があまりなかったですね。その後、5月20日になって一斉にリュウソウゴールドの情報がニュースで出たでしょう。あのあたりからようやく実感がわいてきて、映画製作発表会見(5月22日)でみんなと一緒にステージに立たせていただいたときは、たくさんの人が集まっているところで話すことができたので、気が引き締まり、改めて頑張っていこうと思えました。

――情報解禁後すぐに、Twitterやインスタグラムで兵頭さんのアカウントに直接「楽しみです」「応援しています」といった反響が多く寄せられましたね。

『リュウソウジャー』出演が決まったと発表されたときのみなさんの声は、今まで自分が体験したことのなかった数でした。最初、追いきれないくらいのコメントがついていてほんとうにびっくりしましたが、ぜんぶ読ませていただきました。もともとファンでいてくださった方たちだけでなく、ふだん仲良くしている友人であったり、最近ぜんぜん会っていない友人からもコメントをもらったりして、スーパー戦隊シリーズの偉大さといいますか、歴史ある作品に出演することの影響の強さを感じましたね。

――ご家族には、どのタイミングで出演をお知らせしたのですか。

家族には情報解禁になるまで、ずっと黙っていたんです。母がもともとスーパー戦隊シリーズを子どものころから観ていて好きだったので、20日には母からLINEで「なんでもっと早く言わないのよ!」みたいな驚きのメッセージがぶわーっと来ました。僕としては、自分で話すのではなく、こういう形でサプライズ的に知ってもらいたかったので……まあ、親孝行ができたかなと思っています(笑)。

――兵頭さんが子どものころに好きだった「スーパー戦隊」は?

いろいろ観ていましたけれど、いちばんカッコいいなと思ったのは『侍戦隊シンケンジャー』(2009年)なんです。このとき僕は10歳だったのですが、4人兄妹の長男だということもあって、弟や妹と一緒に観ていたんでしょうね。