今年の夏も暑そうです。夏バテなんてしているヒマもない働き盛りの皆さん、耳寄りな情報が入りました。夏バテ予防に効果的な睡眠法があるんですって。医師の木村至信氏(以下、キムシノ氏)が教えてくれました。

  • 夏バテ予防はできていますか?

夏バテ予防に理想的な睡眠時間

「8時間必要」「平日は5時間で十分」など、理想的な睡眠時間についてさまざまなことがいわれています。さて、医師はどのような見解なのでしょう?

キムシノ氏「諸説ありますが、トータルで7時間は欲しいですね。この時間が確保できると、免疫力維持や細胞修復ができるようです。それから、大事なのは22時から2時までの成長ホルモンが出る時間帯に体を休めること。夏バテはもちろん、疲れの抜け方が全然違いますよ。肌の調子がアップするという嬉しい効果もあります」。

とはいえ、忙しいビジネスパーソンが22時に就寝なんてハードルが高い。キムシノ先生、「やることがあるけど22時に寝て2時に起きて活動再開、終わったら朝まで寝て合計7時間」というのは合格……?

キムシノ氏「それは、脳内ホルモンの観点から完璧に近いです。22~2時に一回睡眠を取ることでバテ感はかなりリセットできますね。でも、連続して眠りたいなら朝起きて作業するのが効果抜群。もっとも、『間に合うかな』といった精神的プレッシャーはありますね(笑)」。

昼寝は夏バテ予防の観点からどう?

「昼寝が生産性を高める」ということが知られてきましたが、これってもしかして夏バテ対策にも有効?

キムシノ氏「トータル7時間睡眠に足りないときは、昼寝で補いましょう。30分前後でも、寝られるとまったく違いますね。できれば足を上げて伸ばした姿勢を取ると、血流が脳に返りやすくなってさらに理想的。

こんなスタイルでの昼寝や仮眠を取ることは、職場ではなかなかできないかもしれませんが(笑)。でも、ランチ後、血流が胃に集中するタイミングで脳や体全部を一回休ませることって本当に重要なんですよ」。

暑い日でも涼しく眠れる方法は?

寝苦しくて寝汗をかいて、睡眠時間は十分でも寝起きがすっきりしないこと、ありますよね。キムシノ先生、医学的に証明された方法を教えてください!

キムシノ氏「足の裏には神経が集中しています。ひんやりする敷きパッドなどを使って、足の裏が冷たく感じると体感温度が下がり、涼しく感じられますよ。また一晩で体から水分がコップ一杯分出て、20回前後寝返りします。寝起きの悪さに悩む方は、掛け布団を見直して、通気性が良く、動いても肌になじむガーゼケットやタオルケットを選んでみては?

室温は、外気との差を5~7度以内が良いです。エアコンは寝入りばなならOKですが、朝までつけると体が冷え体温が下がり寝起きがキツイ。タイマーを活用しましょう。扇風機もうまく使いたいですね」。

今回は「夏バテ予防」というテーマで睡眠法を聞いてみましたが、睡眠時間や室温の話は年中役立ちそうです。皆さん、今夜もよい睡眠を!

取材協力 :木村至信(きむら・しのぶ)

女医。信州大学医学部卒業後、横浜市大医学部大学院にて医学博士取得。産業医・横浜市の往診耳鼻科医。夏バテの予防策や美肌、美声などについての監修仕事多数。 医師の傍らシンガーとしても活動中。