第161回芥川賞を受賞した作家の今村夏子氏が17日、都内のホテルで受賞会見に臨み、喜びを語った。

  • 芥川賞を受賞した今村夏子氏

『むらさきのスカートの女』で芥川賞を受賞した今村氏は、現在の心境を聞かれると、「大変驚きました。とてもうれしいです。ありがとうございます」と第一声。芥川賞の印象について「手の届かないものだと思っていたので、受賞したのは本当に驚いていますし、これからも頑張らないとなと思いました」と気を引き締めた。

これで、太宰治賞、三島由紀夫賞に続き、有名作家の名を冠する賞を受賞。3人の作家に対する思いを問われると、「たくさん本を読むほうじゃないので、すごく難しいんですけど、一番好きな作品を選べと言われたら、太宰治の『燈籠』という短編が一番好きなので、やっぱり太宰治賞頂いたときはとてもうれしかったです」と答えたが、「芥川龍之介の本はあまり知りません(笑)」と、本音を打ち明けた。

また、2歳の娘がいるが、今回の受賞を「いやぁ、娘には特に報告しません」ときっぱり。「あんまり(娘に)読んでもらいたいと思わないので(笑)。いつか娘にも読ませたいと思えるようなものを書けたらと思います」と笑顔を見せていた。

また、第161回直木賞には、大島真寿美氏の『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』が決定。大島氏は会見で「ビックリしてます。あんまり実感がない感じです」と心境を述べ、候補者全員が女性だったことについては「たまたまそうなんだろうなと思ったくらいです」と冷静に語っていた。

  • 直木賞を受賞した大島真寿美氏