キリンビールが同社が展開する「グランドキリン」ブランドのクラフトビールのうち「グランドキリン JPL(ジャパン・ペールラガー)」をリニューアルして「グランドキリン IPL(インディア・ペールラガー)」に名称変更。麦芽とホップの使用比率を見直して、より華やかで力強いホップ感に仕上げた。
缶商品のパッケージもリニューアルし、販売をさらに拡大したい考えだ。発売は7月30日からで、価格はオープンプライス。実売想定価格は295円。
クラフトビール市場は国内で右肩上がりに伸びており、消費量は2018年に4万KL。2019年には44,000KLと1割増を見込むという。
同社企画部グランドキリンブランドマネージャー兼スプリングバレーブルワリーブランドチームの鈴木雄介氏によると、ビール全体に占める割合は、数量ベースでは0.8%、金額ベースでは1.5%となった。クラフトビール先進国の米国では数量ベースで13%、金額ベースでは20%まで拡大しているが、米国よりも速いペースで拡大しているという。
クラフトビールはユーザー像について鈴木氏は、「家庭内外を問わずワインや日本酒も楽しむ人が多く、品質が良いもの気持ちの良いことにはしっかりとお金をかける傾向が高い」と指摘し、高感度層や若年層がより多いとみている。インバウンド需要でもクラフトビールへの期待が高まっており、キリンでもクラフトビール市場への製品投入を推進していきたい考えだ。
グランドキリンは、幅広いユーザーに手軽にクラフトビールを楽しんでもらおうと2012年に瓶商品としてコンビニ先行販売を開始。2018年4月には缶商品に変更し、5月から「グランドキリン IPA」「グランドキリン WHITE ALE」の2製品のデザインを変更。今回、リニューアルしたグランドキリン IPLを同様のデザインで投入する。
グランドキリンは、同社独自の「ディップホップ」製法を採用し、個性があって飲みやすい香味を実現した、としている。キリンが「クラフトビールの教科書」を目指した3種類のビールは、例えばIPLは上質なコクと香り、フルーティな香りを備えて醤油などを使った和食、和風ハンバーグなどに適したビールだという。
味に加えて香りも重視したクラフトビール。そのクラフトビールを楽しむために家庭内整備して欲しいインフラのひとつがグラス、と語るのが、ワイングラスのRIEDELなどのブランドを扱うRSN Japanのテイスティングマネージャーでチーフグラスエデュケイターの庄司大輔氏だ。
今回RSN Japanでは、ビールグラスのシュピゲラウブランドで、グランドキリン IPLのためのグラスをキリンと共同開発しており、クラフトビールを楽しむためにこうしたグラスを利用することを勧める。
庄司氏は、クラフトビールを楽しむための注ぎ方も紹介。グラスを斜め45度に傾けて静かに注ぎ、グラスの最も太くなった少ししたあたりにとどめるのが最も香りが楽しめるという。
ワインのようなスワリングや、グラスを傾けてゆっくり回転させてグラス全体に香りを行き渡らせる「一工夫」(庄司氏)を加えてから飲むと、より香りを楽しめるという。グラス一杯にビールを注がないので、最初の一口から自然と顔が上を向き、下から喉に一直線にビールが流れて味わいと香りを存分に楽しめる。
グランドキリン IPL専用のグラスはペアで3,780円。庄司氏は、グランドキリン IPA向けにシュピゲラウのビールグラスとして「IPA インディア・ペール・エール」(ペアグラス3,780円)、グランドキリン WHITE ALE向けには「ビール・チューリップ」(ペアグラス3,240円)をお勧めしており、クラフトビールをさらに楽しむアイテムとして、専用ビールグラスも試して欲しい。