RADWIMPS

RADWIMPSが音楽を手がける「天気の子」の製作報告会見が本日7月2日に東京・東京ミッドタウンホールで開催され、RADWIMPS、監督の新海誠、キャストの醍醐虎汰朗、森七菜、本田翼、プロデューサーの川村元気が出席した。

「天気の子」は天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄される少年と少女が自らの生き方を選択するさまを描いた物語。会見の冒頭では、新海の過去作の紹介から始まり「天気の子」の映像へとつながる5分超の“スペシャル予報”が解禁され、RADWIMPSによる主題歌全5曲のタイトルが発表された。

新海とRADWIMPSによるタッグは、2016年公開の「君の名は。」以来3年ぶり。2度目のタッグについて野田は「前作よりも深く結びつきを持って、監督とタッグを組んでやらせてもらっているなと思いました」と語り、新海も「物語作りのところから一緒に作ってきたような感覚がありますね」と述べる。新海が脚本の一部を野田に送り、それに対して野田が音楽を送り返すというやり取りを繰り返していたそうで、「『帆高ってこのときこういう気持ちだったんだ』『陽菜ってこういう子なんだみたいなことが曲に書いてあった。僕が知らない少年少女の気持ちが洋次郎さんの曲の中に入っていて、それを発見してくような……コンテを書いている期間はそんな感じでしたね」と新海は脚本や絵コンテの製作時を回想。さらに新海は「この1年半は、RADWIMPSのことが、洋次郎さんのことがどんどん好きになってく時間でした。もともとファンで曲も好きで、『君の名は。』で一緒にやってもっと好きになっていたんですけど、変わらずずっと遠い場所で輝いている星みたいな人たちだったんですよ。今でもそうなんですけど、『天気の子』をやったことで少しだけ友達に近くなりました」とうれしそうに話した。

脚本について野田は「新海さんらしくもあって、意外性もありました。もうちょっとわかりやすくマスに向けた物語を描かれるのかなと思っていたら、新海節を発揮したすごく攻めた内容で。この物語は賛否を巻き起こすんだろうなと思ったし、僕は余計に新海誠さんという人が好きになりましたね。自分のやりたいものに対してものすごく正直なんだと驚かされました」とコメント。また今回の音楽制作については「すごく監督が信頼を置いてくれてるのを実感できたので、『ここまでは音楽監督は言わないかな』というところまで踏み込んで言うようになりました。だからこの作品を通して、僕が出せるものをすべて渡そうと思いました」と語った。

また新海は「『もう曲はそろってますから』って言ってるのにRADWIMPSのほうから(曲を)いっぱい送ってくるんですよ」とRADWIMPSサイドから次々と楽曲が送られてきたことを明かす。そして「でも聴くとやっぱりすごくいいし、『僕にできることはまだあるかい』(主題歌の1つ「愛にできることはまだあるかい」の歌詞)という歌詞のように、洋次郎さん、RADWIMPSの気持ちそのものに聴こえてきて。それに心を動かされて、いい映画にしなければと曲が送られてくるたびに思いました」とRADWIMPSの曲から受けた影響について述べた。記者が今回ボーカルに三浦透子を起用したことについてRADWIMPSに聞くと、野田は「前作との差別化もそうなんですけど、陽菜と帆高の“声”を僕じゃない声で届けたいと思って提案させていただきました」と回答。新海も「(『君の名は。』とは)違うことをやろうと最初にみんなで話をしたよね。ただ僕は洋次郎さんのデモをずっと聴いていたので洋次郎さん一色モードだったんですけど、透子さんの声と出会って、彼女の声がここにあったほうがいいと思って広げていきました」と三浦の起用理由について語った。

「君の名は。」公開時には劇伴は今後はやらないと話していたという野田は再び映画の劇伴を手がけたことについて「新海さんの作品だから(やったん)です。でも最初に『今回が最後の気持ちでやります』と話しました。そうじゃないととてもじゃないけど乗り切れる気がしなくて」と延べ、もう少しで完成となってきて、振り返ると楽しかったですね。それにオーケストレーションの作曲や編曲はバンドではまずやることがないので、そういう機会をいただき、いろんな音楽の幅を広げてもらいました。今回が最後と言いましたがいつかまた。何年後かわかりませんが……」と今後の制作活動への意欲を見せた。

(c)2019「天気の子」製作委員会