お金を貯めるために「節約しなくちゃ」「ムダ遣いをなくしたい」と思っている人は多いはず。とはいうものの、いざ節約する、ムダ遣いをなくす……といっても、何から手をつけていいのかわからないものです。

そこで、今回は貯め下手さんでも簡単にできて、効果の上がるレシートを使ったムダ遣い防止法をご紹介します。

何に、いくら使ったかを知る

貯め下手さんがよく口にするのが「1万円を崩すといつの間にかなくなる」という言葉。つまり、何にいくら使ったか自覚がないということです。

ムダ遣いをなくす第一歩は、自分が今日1日、何にいくら使ったかを知ることにあります。それには家計簿が役立ちますが、「家計簿をつけるのは面倒」という人は、レシートを家計簿代わりにしましょう。

レシートには買ったものや金額だけではなく、買い物をしたお店や時間など細かく印字されています。レシートを集めて見直すことで、自分の買い物のクセやムダ遣いしがちなお店や時間帯が見えてきます。そういう場面を回避することで、ムダ遣いが防止できるというわけです。

レシートを見直す手順は、①レシートを集める、②分類する、③読み込む の3ステップ。順番に解説していきます。

手順①レシートを集める

まず買い物をしたら、必ずレシートをもらうようにします。現金払いだけではなく、電子マネーやクレジットカードで支払った買い物もレシートや利用明細書をとっておきます。

スイカやパスモなどをチャージしたときも、「領収書」マークを押して、領収書を発行するようにしましょう。自動販売機など領収書が出ない買い物をしたときには、手帳やスマホにメモします。飲み会など割り勘で支払った場合も、自分が払った金額をメモします。

帰宅後、財布からレシートとメモを出して封筒に入れます。1週間=1封筒にしておくと、あとで分類や集計しやすくなります。

手順②レシートを分類する

1週間、レシートを集めたら、次は分類です。封筒からレシートを出して、枚数を数えます。金額はさておき、レシートの枚数分だけお金を使ったことになります。いつも何気なく財布からお金を出していたのが、お金を使った回数がわかるだけでも、ムダ遣いの自覚が芽生えるはずです。

次に、レシートを分類します。お金を使った場所別に分類するのがオススメです。

■分類の例
・スーパー
・コンビニ
・ドラッグストア
・デパート
・駅ビル
・その他の店(書店、雑貨店など)
・ファストフード
・レストラン
・その他の飲食店
・電子マネーやプリペイドカードのチャージ
・自動販売機
・公共交通機関
・タクシー

分類したら、束ごとにホッチキスで留めます。

手順③レシートを読み込む

分類したレシートを細かくチェックします。

・金額が大きいレシートをチェックする

まず、金額が一番大きいレシートを確認。たとえばデパートで洋服を買った際のレシートの金額が一番大きければ、その服を1週間以内に着たか?実際に着てみて満足度はどうか? を考えます。

スーパーで食料品を買ったレシートの合計金額が一番大きい場合は、買った食材が、現在どのようになっているかをチェック。すでに食べきっていたら、お金の使い方にムダがなかったことになります。

食べきれずに冷蔵庫に残っているようなら、消費期限切れになる前に食べきれるかを検討。もし食べきれないようなら、その理由を考えます。買い過ぎの場合は、次回から買う量を減らします。使いにくい食材でうまく調理できなかったのなら、次回から買うのをやめます。食材をムダにするには、何らかの理由があるので、その理由を解明して、次回の買い物に役立てることが大事です。

・レシートの枚数の多い店をチェックする

次に、一番レシートの枚数が多い店をチェック。コンビニやドラッグストアで金額は小さくても、ちょこちょこ買い物をしているようなら、ムダ遣いが潜んでいる可能性大。

たとえば、帰宅途中で毎日のように同じコンビニに寄り道しているようなら、帰宅ルートを変更して、ムダ遣いしやすい場面を回避しましょう。1日に何回もカフェに立ち寄ったり、コーヒーをテイクアウトしているようなら、コーヒーやお茶を入れた水筒を携帯するなどで、“ラテマネ―”対策を。

・外食に関係するレシートをチェックする

ランチ、夕食、食事会、飲み会、カフェ……など外食したレシートを1枚ずつ手に取って「この外食が本当に必要だったか?」を振り返ります。

お弁当を作れば減らせたランチ代、自炊するのが面倒で買った夕食用の総菜弁当代、大して乗り気ではなかった飲み会など、使わずに済んだかもしれない外食があったら、ムダ遣いかもしれません。

“外食エンゲル係数”の高さは、お金が貯まらない度に比例します。言い換えるなら、外食を減らせば、お金が貯まるということ。本気でお金を貯めようと思うなら、外食を見直すのが手っ取り早い方法です。

普段、受け取ったらすぐにレジ横のごみ箱にレシートを捨ててしまっている人も多いのではないでしょうか。でも捨てるのはちょっと待って! レシートには、あなたのお金の使い方についての情報が詰まっています。

レシートを集めて、分類して、読み込むだけで、ムダ遣いやお金の使い方のクセが見えてきます。そして、財布からお金を出すことに対して意識するようになるはずです。それが節約意識の芽生えです。レシートを活用して、ぜひ貯まる人を目指してください。

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。