東京商工リサーチはこのほど、2018年決算「上場企業2,591社の平均年間給与」調査の結果を明らかにした。

  • 上場企業2,591社 平均年間給与

    上場企業2,591社 平均年間給与

同調査は、2018年1月期~12月期決算の全証券取引所の上場企業を対象に有価証券報告書の平均年間給与を抽出、分析したもの。2011年決算から連続して比較可能な企業を対象(変則決算企業は除く)とし、持株会社は除いている。業種分類は証券コード協議会の定めに準じた。

上場企業2,591社の平均年間給与は、前年より7万円(1.1%増)増加し、初の600万円台となる606万2,000円(中央値593万5,000円)だった。給与の増加は2012年から7年連続で、8年間で42万5,000円(7.5%増)上昇している。

伸び率(前年比1.1%増)は、2017年(同0.6%増)を0.5ポイント上回り、2016年(同1.0%増)以来、2年ぶりに1%台の上昇率となった。

業種別では、建設業が718万7,000円(前年比1.6%増)で、4年連続でトップとなっている。平均年間給与が700万円台なのは、建設業だけだった。次いで不動産業696万4,000円、電気・ガス業672万5,000円と続く。最低は小売業の473万8,000円で、トップの建設業とは244万9,000円と1.5倍の格差がある。

増減率を見ると、10業種のうち、金融・保険業(前年比0.19%減)、水産・農林・鉱業(同0.14%減)、電気・ガス業(同0.12%減)を除く7業種で前年を上回った。伸び率では、唯一、不動産業が前年比3.1%増と3%台にのせた。

  • 上場企業2,591社 平均年間給与 業種別

    上場企業2,591社 平均年間給与 業種別

上場企業2,591社の平均年間給与を前年と比べ、その増加率を見たところ、1位は「アゴーラ・ホスピタリティー・グループ(サービス業)」(47.52%)、2位は「日本商業開発(不動産業)」(39.57%)、3位は「プロスペクト(不動産業)」(37.33%)だった。

  • 上場企業2,591社 平均年間給与 前年比増加率ランキング

    上場企業2,591社 平均年間給与 前年比増加率ランキング

一方、平均年間給与の前年比減少率で1位となったのは、「夢みつけ隊(小売業)」(▲33.41%)、2位は「クレオ(運輸・情報通信業)」(▲23.10%)、3位は「アクシーズ(水産・農林・鉱業)」(▲20.33%)となっている。

  • 上場企業2,591社 平均年間給与 前年比減少率ランキング

    上場企業2,591社 平均年間給与 前年比減少率ランキング

平均年間給与で最高となった個別企業はM&Aアドバイザリーの「GCA」(2,063万3,000円)だった。2位は不動産賃貸業の「ヒューリック」(1,636万円)、3位は「三菱商事」(1,540万9,000円)、4位は「伊藤忠商事」(1,460万9,000円)だった。

  • 上場企業2,591社 平均年間給与ランキング(上位10位まで)

    上場企業2,591社 平均年間給与ランキング(上位10位まで)