東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『ミラー・ツインズ Season1』(毎週土曜23:40~)に出演する女優の武田梨奈。圭吾(藤ヶ谷太輔)に協力する新人刑事の久能詩織を演じているが、役作りのため髪をバッサリとカットとし、正義感あふれる役柄に挑んでいる。あす4日放送の第5話では、ついに特技の空手を生かしたアクションを披露する。そこで、本作の見どころや、新境地ともいえる役柄に挑んだ感想などを語った。

  • 『ミラー・ツインズ Season1』に出演する武田梨奈=東海テレビ提供

――毎話どんでん返しの今作ですが、演じる上で気を付けていることはありますか?

結末をいったん消し去って演じています。今回は(高橋)克典さんとご一緒というのが本当にありがたいです。ワンシーンごとに克典さんが、「この場面は、あとであのシーンの重要な伏線になるから…」といろいろアドバイスをくださるんです。私がリハーサルで演じてみて、どうもしっくり来ないときがあるんですけど、そういうときも克典さんがすぐ気付いて、相談に乗ってくださるんです。クランクイン前は「詩織は演じるのが難しい役になるだろうな」と、とても不安でした。展開が分かっている上で、次々と衝撃の真実と対峙(たいじ)していかなくてはいけないので。監督や現場の皆さんと積極的に話をしています。

――詩織はどんな女性でしょうか?

この作品は、登場人物全員が何かしらの“闇”を抱えていて、詩織はその1つ1つを暴いていくポジションだと思っています。父親が上司というのも大きいですね(詩織の父親は石黒賢演じる捜査一課長の久能源一郎)。父を尊敬はしているけれど、コンプレックスの原因でもあるので。「エリートの父親のお陰で、まだ若いくせに女だてらに刑事になれた」と周りから見られているのを、詩織はひしひしと感じているはずです。でもそう思われるのが嫌でしかたない。だから仕事ではお父さんとの接点をできるだけ持ちたくないのに、圭吾さんを助けるためお父さんに頼るんですよね。その複雑な心境をしっかり表現したいと思っています。

――女性キャストで一番の若手が武田さんになりますね。

そのことも詩織を演じる上で役立っています。と言うのも、詩織を演じる上で私の中で意識していたのが年齢と性別だからです。刑事課は女性も少ないし、若手もほとんどいません。克典さんをはじめ、ベテランの皆さんの中にいると詩織の「なめられたくない」「早く認められたい!」という気持ちを自然に作ることができてます。

――詩織にも過去があるのでしょうか?

まだ明かせませんが、詩織にもいろいろあります。これからそのバックボーンが徐々に描かれていくので、「そんなことがあったの!?」とぜひ驚いてほしいです。監督からは最初、できるだけ子供っぽさをなくし、新人刑事だけれど、「私はもう一人前だ」と思う気持ちを強く持つよう言われました。だから劇中でも上司の皆川さんに意見を言うとき、遠慮がないし、口調も強くしています。さらに監督から声のトーンも少し低めにしてほしい、とのリクエストを頂いたので、「私は刑事」という思いを意識して声をワントーン低くしています。

  • 高橋克典(左)と武田梨奈=同

――ところで圭吾と勇吾について、武田さんはどちらがタイプですか?

圧倒的に圭吾さんを選びます! 誠実なところがいいです。女性って恋愛に刺激やスリルを求めるって言いますけど、私の仕事自体、刺激がありすぎるじゃないですか(笑)。スリルしかありません。プライベートでは心穏やかでいたいので、絶対圭吾さんです(笑)

――ドラマのテーマの1つが登場人物の二面性。武田さんにも周りの人が驚くような一面はありますか?

藤ヶ谷さんと克典さんに「そういうタイプだとは思わなかった」と言われたんですが…克典さん演じる皆川さんとのシーンで、「行くぞ」「はいっ!」と歩き出す場面があったんですが、1回目はこけて、2回目は近くにあった車のミラーガラスにぶつかってしまって。お2人から、「すごくしっかりしている女の子だと思っていたけれど、違うんだね」と言われてしまいました。ちょっと恥ずかしかったです(笑)

――物語はいよいよ新章に突入です。今後の見どころはいかがでしょうか?

前半の詩織はとにかくしっかりしていて、新人なのに自分から率先して捜査に加わっていきました。とても前向きですが、一方でなぜそこまで刑事という職業に固執するのが、謎でもあります。後半に向け、詩織の内面も描かれ、彼女の弱みも判明します。そこで頑なだった詩織の女性らしい一面も垣間見えるので、心境の変化も見て頂けたらうれしいです。果たして詩織はただ事件を追う者なのか、そこには何か別の意味もあるのか、という点も含めて。克典さんからも、「結末がわかっているからあえて言うけれど」と詩織を演じる上でとても大切なことを教えて頂きました。話をうかがい、鋭いナイフのような克典さんの言葉に、ドキッとしたんです。その衝撃をぜひ視聴者のみなさんに届けたいと思っています。

  • 高橋克典(左)と武田梨奈=同