国土交通省は12日、鉄道・運輸機構から申請のあった九州新幹線(西九州ルート)武雄温泉~長崎間の工事実施計画の変更について、4月12日付で認可を行ったと発表した。この中で、佐世保線複線化工事の区間を大町~高橋間に変更することも発表された。

  • 佐世保線武雄温泉駅。ここから長崎駅まで九州新幹線(西九州ルート)の建設が進む

九州新幹線西九州ルートは「佐賀市付近を経由して福岡市と長崎市を結ぶ路線」とされ、2012年6月に武雄温泉~長崎間で標準軌による工事実施計画の認可を受け、工事に着手。あわせてフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の導入を前提に、在来線区間の新鳥栖~武雄温泉間を活用し、単線となっている佐世保線肥前山口~武雄温泉間で複線化事業の実施も予定されていた。今回の変更認可により、武雄温泉~長崎間の工事費が変更され、現認可額の約5,009億円から約6,197億円へ、1,188億円の増加となる。

工事費の変更に関して、外的要因としての「労務単価の上昇等による増」(518億円)と「耐震設計標準の改訂等による増」(109億円)、事業実施にともなう「関係機関との協議による増」(439億円)と「現地状況の精査による増」(297億円)などを挙げる。発生土の運搬先の見直し等によるコスト縮減(175億円)もあり、増加額は1,188億円とされた。

  • 九州新幹線武雄温泉~長崎間の工事費など変更(出典 : 国土交通省報道発表資料)

今回の変更認可で、佐世保線複線化工事の区間も肥前山口~武雄温泉間から大町~高橋間に変更。フリーゲージトレインの導入断念にともなう変更とされ、佐世保線複線化工事の区間は短縮となるが、大町~高橋間の複線化により、「武雄温泉駅での対面乗換方式による開業に伴う特急列車の本数の増加に対応可能」と説明している。