マツダは「ロードスター30周年記念車」を日本で初めて公開した。生産台数3,000台の限定モデルで、日本では150台を販売するとのことだが、欲しいと思ったら買えるクルマなのだろうか、それとも、すぐに売り切れてしまうのだろうか。

マツダが「AUTOMOBILE COUNCIL 2019」(千葉県の幕張メッセで4月7日まで開催中)で公開した「ロードスター30周年記念車」。車体色は同モデルのためにマツダが新規開発した「レーシングオレンジ」だ

限定モデルは368万2,800円から

「ロードスター」は1989年に誕生したマツダのライトウェイトスポーツ。30周年記念モデルの日本初公開にあたり、マツダでデザインとブランドスタイルを担当する前田育男常務は、「ロードスターはマツダのモノづくりの根底にある“人馬一体”を体現するクルマ」であり、「ブランドの象徴」だと語った。今回の30周年記念モデルには「30年の感謝と将来への思いを込めた」という。

「ロードスター」はマツダの“人馬一体”を象徴するクルマだ

マツダがロードスター30周年記念モデルに込めた「将来への思い」とは何か。それは、同社がブランドメッセージとして掲げる「走る歓び」を今後も追求していくということだ。前田常務は「ロードスターは30周年を迎えたが、これからの30年、もっと先までも『走る歓び』を」とし、自動化と電動化で様変わりする自動車業界でマツダが目指す姿を強調した。

マツダの前田常務(左)とロードスターの開発主査兼チーフデザイナーの中山雅氏

ロードスター30周年記念車は専用色を身にまとうほか、シリアルナンバー入りオーナメント、軽量化に貢献する鍛造アルミホイール、レカロ製シート、ブレンボ製ブレーキキャリパーなどの特別装備が施してある。

シートのステッチなどにも、車体色に合わせたオレンジ色が使ってある

選べる仕様は3種類だ。開閉できる屋根の部分が「幌」になっているソフトトップの「ロードスター」は368万2,800円。電動で屋根を開閉できる「ハードトップ」の「ロードスターRF」は、MT(マニュアルトランスミッション)が430万3,800円、AT(オートマチックトランスミッション)が426万600円となっている。

ソフトトップの「ロードスター」は1.5LのSKYACTIV-Gエンジン搭載、フロントエンジン・リアドライブ(FR)、6速MT。ハードトップの「ロードスターRF」は2.0LのSKYACTIV-Gエンジン搭載、FR、トランスミッションは6速でMTかATを選べる

マツダが日本に持ち込む記念車はソフトトップ110台、RF40台。欲しい人はまず、専用サイトで「商談予約」する必要がある。予約受付期間はソフトトップが2019年4月5日~4月15日、RFが同5月27日~6月10日。申し込みが多い場合は抽選となるが、先着順ではないので、焦る必要はなさそうだ。

「ロードスター30周年記念車」が欲しい人はまず、ウェブで「商談予約」しよう

この150台という割り当てだが、実際のところ、商談までたどり着ける倍率はどのくらいなのだろうか。マツダの説明員は「現時点で読めない」としたが、参考として、「先着順で販売した米国では500台が4時間で売り切れた」との話を聞かせてくれた。

なんとなく、日本向けが150台では足りないような気がしたので、説明員にその考えを伝えてみると、「“かたい”数字に見えるかもしれませんが、選べる色は1色ですし、価格も普通に比べると高いので」との回答だった。

日本向け150台は十分な台数なのか、少ないのか

先ほどの説明員によると、記念モデルの母数は3,000台と決まっており、追加生産の予定こそないものの、世界の販売状況によっては、生産したクルマの仕向け先を「数十台くらいは」調整できるかもしれないとのこと。つまり、最初の150台で商談にこぎつけられなかったとしても、追加販売のチャンスがあるかもしれないのだ。このクルマがすぐに売り切れるのか、そうでもないのかは今のところ分からないが、もし買えなかったとしても、すぐにはあきらめない方がよさそうだ。

(藤田真吾)