特撮テレビドラマ『仮面ライダージオウ』(2018年)から派生した『仮面ライダージオウ スピンオフ RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』(全3話)の第1話が、映像配信サービス「ビデオパス」にて2019年3月31日(日)より配信開始される。
マイナビニュースでは、『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』に登場する、『仮面ライダー龍騎』オリジナルキャストそれぞれに単独インタビューを敢行し、テレビシリーズ終了から16年ぶりに映像作品として"復活"を遂げた『龍騎』ワールドにふたたび出演するにあたっての心境や、新作にかける意気込みを訊いた。
今回は、『仮面ライダー龍騎』ならびにすべての仮面ライダーシリーズの中でも「最凶」の呼び声高い、仮面ライダー王蛇/浅倉威を演じた萩野崇が登場。常にイライラをかかえ、自分の闘争心を満たすため強い相手に向かっていく凶暴な「悪の仮面ライダー」である王蛇/浅倉は、最新スピンオフドラマではどのような活躍を見せるのだろうか。『龍騎』放送当時から10年以上の時を経て、凄みと渋味を増した萩野に浅倉"復活"にかける思いを語ってもらった。
――マイナビニュースでは萩野さんに、2018年6月に「CSM Vバックル」が商品化されるタイミングで仮面ライダーゾルダ/北岡秀一役の小田井涼平さんとの対談インタビューを組ませていただきました。そのときには「久しぶりに『龍騎』キャストで集まって何か面白いことをやりたい」とお話されていましたが、その段階では、まさか『仮面ライダージオウ』のスピンオフドラマとして『龍騎』が復活するとは想像もしていませんでした。萩野さん的には、今回のスピンオフドラマ決定について、どんな思いを抱かれましたか。
それはもう、ただ「すごいな」としか思いませんでしたね。昨年のインタビューで涼平くんと久しぶりに会って、当時の思い出話をたくさんしましたし、また何かやれたらいいね、とも話しましたけれど、こうして映像作品となって復活できたのは、やっぱり『龍騎』のファンでいてくれた多くの方たちの後押しがあってこそ、だと思います。改めてファンのみなさんに感謝します。
――仮面ライダー王蛇/浅倉威としては、2017年2月に「東映特撮ファンクラブ」オリジナル作品として配信された『仮面ライダーブレイブ ~Surviveせよ!復活のビーストライダー・スクワッド~』で復活を遂げ、仮面ライダーブレイブ/鏡飛彩(演:瀬戸利樹)と激闘を展開して話題を集めました。
あのときも浅倉にスポットを当てていただいて、とても幸せなことだと思っていました。さらに今回のスピンオフドラマでは、『龍騎』のオリジナルキャストがそろっているということに加えて、井上敏樹さんが脚本を書かれていること、白倉(伸一郎)さんと武部(直美)さんがプロデューサーをされていること、そして当時助監督だった柴崎(貴行※柴崎監督の崎は立つ崎が正式表記)さんが監督を務めていること、これらを聞いて感慨深いものがありました。長く役者を続けていると、こんな"ご褒美"があるのかと、心の底からうれしく思いました。
――井上敏樹さんが書かれた脚本というのが、またショッキングな内容がたくさん含まれていて、ものすごく飛ばしていますね。
そうですね! 全スタッフ、全キャストがあの"めくるめく"シーンを読んで、一瞬"止まった"と思います(笑)。僕自身は、これはこれで、うわあオモロいな!と。井上さんの脚本は大好きですよ。今回のストーリーも序盤に張られた伏線が終盤で見事に回収されていきますし、決して派手なお話ではありませんが、仮面ライダーをめぐる人間関係の変化など、濃密なドラマでお客さんを引き込んでいくはずです。
――16年前のテレビシリーズで浅倉は、北岡を執拗に狙い、激しい憎悪を抱いていました。
確かに、王蛇/浅倉はゾルダ/北岡と対になっていて、両者の因縁や憎しみがテレビシリーズで描かれました。ですから、今回は北岡がいないというところに関しては驚きました。『龍騎』の世界観としては、ゾルダの存在って大きいじゃないですか。そこで吾郎ちゃん(由良吾郎/演:弓削智久)がどんな風に出てきて、浅倉や他の仮面ライダーと接していくのか。そこもとても楽しみにしていました。浅倉としては、お互いに"憎悪"をぶつけあってきた北岡に対して、特別な感情を抱いているはずなんです。そんな北岡が不在のまま、吾郎ちゃんが浅倉に接近してくる。今回のスピンオフドラマでは、この場にいない北岡をめぐって、浅倉と吾郎がどんな動きをするのか、そして2人の間にどんな感情が生まれるのか、に注目してほしいですね。
――浅倉のトレードマークというべき「蛇革のジャケット」を着ていらっしゃいますが、あれは当時の衣装なのですか?
ずっと同じ、自前の蛇革ジャケットです。今回はテレビシリーズから17年の歳月が経っている世界観ですから、「昔の衣装のままになるとは限りませんが、一応持ってきてください」と武部さんから言われていたんです。別案として、蛇革ではなくヘビ柄のジャケットも持っていきましたけれど、昔の蛇革を着て衣装合わせをしたとき柴崎監督が「ああ、うん……」ってうなずいたのを見まして、「いま、うなずきましたね? じゃあこれで行きますか」ということで決まりました。ただ、前回の『仮面ライダーブレイブ』での浅倉は素肌にジャケットを着ていましたが、今回は下に一枚、着させてもらっています。僕の人間的深みがこういうところに出ていますね。これで浅倉もいよいよ、常識というものを学んでね……ガハハハ(笑)!