映画『麻雀放浪記2020』の完成報告ステージイベント&舞台挨拶が20日に都内で行われ、斎藤工、もも(チャラン・ポ・ランタン)、ベッキー、竹中直人、白石和彌監督が登場した。

  • 左から白石和彌監督、ベッキー、斎藤工、もも、竹中直人

同作は、阿佐田哲也の250万部を超えるベストセラー小説を実写映画化。主人公・坊や哲(斉藤)がいるのは、2020年の未来。人口は減少し、労働はAIに取って代わられ、街には失業者と老人があふれており、東京オリンピックが中止となっている。1945年の戦後からやってきたという坊や哲が思わぬ状況で立ちはだかった麻雀で死闘を繰り広げる。

麻薬取締法違反の疑いで逮捕された、テクノバンド・電気グルーヴのメンバーで俳優のピエール瀧容疑者が、戦争によって中止になったオリンピックの組織委員会元会長を演じており、公開について協議されていた同作。今朝、東映社長と白石監督が記者会見を開き、予定通りの公開が発表された。

主演の斎藤は「不安の中で過ごしてましたけど、本当にホッとした気持ちです」と心境を吐露。「第一報をニュースで知った時には、全然咀嚼できなくて。作品にとってとっても重要なピースの一つであったピエールさんが引き起こしたことによって、いろんな作品が苦しむ。これから起こることは計り知れないなという恐ろしさがあった」と振り返る。「白石さんにすぐ連絡してしまったんですけど、現場で映画を作ってくださってるスタッフの皆さんもキャストの皆さんも、公開して人に届けるということをゴールに、走ってきたので、ひとまずとてもとてもホッとしています」と語った。

白石監督は「瀧さんがやってしまったことを許すわけにはいかないです。ただ、作品に罪はないということを、宣言して」と会見の様子を説明し、「今まで僕は映画の中で薬物を使用するシーンも描いてきたけど、これからは本当にそういうことはよくないという啓発を、作品とはまた別に、個人的に取り組んでいきたいと思います」と語った。