声優アーティスト・立花理香のライブイベント「立花理香 2nd LIVE ~colorful mixer~」が2月16日、東京・Zepp DiverCity(TOKYO)にて行われた。マイナビニュースでは夜の部をレポートする。

  • 「立花理香 2nd LIVE ~colorful mixer~」

2018年に発売した2枚のミニアルバム『Flora』『LIFE』に加え、2月13日に発売したばかりの1stシングル「カラフルパサージュ」を引っ提げて臨んだ今回のライブ。タイトルに「colorful mixer」という名前が付けられていた通り、“カクテル”のように立花の様々な魅力が混ざり合ったライブとなった。

ライブがスタートするとまずはデビューミニアルバムの1曲目に収録されている「REALISTIC」、続けて「赤いアネモネ」「KOTO-DAMA」「Flaming Rose」と、立花の大人でセクシーな面が発揮される楽曲で魅せる。小悪魔的な要素もあれば、切なさも感じられる序盤は、白ワインとカシスリキュールを混ぜた赤系統の色のカクテルでありながらワインの種類を変えると違うカクテルにもなる「キール」のようであった。

「カラフルパサージュ」のMVの裏側を映したVTRが会場に流れたあとは、お姫様のようなピンク色の衣装に身を包んだ立花が舞台へ舞い戻り、夏のキラキラした思い出を詰め込んだという「Shining Memory」を笑顔で歌唱。いつもの軽快なトークで会場を温めた後はポップなメロディが特徴の「marguerite」、朝日のキラキラ感を詰め込みつつ「外出するときは必ず化粧を」という裏テーマを盛り込んだ「Brand New」、さわやかなメロディに対して、歌詞には未練などが感じられる「Say Goodbye」と、それぞれ異なるアプローチの楽曲を披露した。そんなさわやかさもほろ苦さも感じられるようなこのセクションは、オレンジと黄色の色合いが美しく、ほろ苦い甘さが特徴の「カンパリオレンジ」のよう。

楽曲で2杯のカクテルを提供した後は、これまた楽曲で夕食を挟む。立花がコールしたのは「黒毛和牛上塩タン焼」。歌ったのはもちろん、大塚愛の「黒毛和牛上塩タン焼 680円」だ。本曲はTwitterで募集していたカバーリクエストのなかからチョイスした一曲。甘いボイスで会場のファンを魅了した。

ライブも中盤に差し掛かったところで歌唱したのは、「カラフルパサージュ」のカップリング曲「緑の時計」。本曲は自らが作詞を担当した曲で、これからの新生活に向けて、門出を祝うような一曲……だが、実は裏テーマがあることをこのライブで発表。裏テーマは「好きな女の子がほかの男のところに嫁に行ってしまう」というもの。本曲には「これからもよろしくね」という歌詞があるが、これも表と裏では大きく意味合いが異なる。聞く人の心情や状況によって印象が変わる……そんなギミックを用意して聞いている人を楽しませるのも、エンターテイナーな立花らしい。

「緑の時計」の後に歌唱したのは同じく本人が作詞を担当した「flowery night」。「就寝前」をテーマにしつつも、自身が飼っているハムスター・きなこちゃんへの愛を歌った一曲を歌い上げた。自身が作詞をした表と裏のテーマがある2曲で構成された中盤は、口当たりがよくフルーティーで飲みやすいのに、油田の労働者たちがねじ回しで混ぜて飲んだと言われたことから名前が付いたと言われているアルコール度数の高い「スクリュー・ドライバー」のようであった。

「カラフルパサージュ」MVの裏側を映したVTRの後編映像が流れた後には、ライブも後半戦。12曲目には思わず首を横に振ってしまいたくなるくらいノリがよくて可愛らしい最新シングル「カラフルパサージュ」を披露する。途中には傘を交えたパフォーマンスで魅せるなど、新たな立花の魅力も見せつけた。

その後のMCでは嬉しいお知らせとともに乾杯を行う流れ……かと思いきや、突如、「ゴー☆ジャス@レボ☆リューション~こんな声優ファン☆タスティック with ちくわP~ 」で番組MCを務めるゴー☆ジャス(宇宙海賊)と山口立花子(ちくわP)から少し早めの誕生日お祝いコメントがサプライズで到着。

立花はこの番組に最多となる3回もゲスト出演していることからいろいろな思い出話が出てくる……かと思いきやというコメントがふたりから寄せられる。これには色々な意味で驚かされたが気を取り直して乾杯をした後は本当の告知が行われた。告知の内容は4月より放送スタートするアニメ『ノブナガ先生の幼な妻』のエンディングテーマを担当することになったというもので、発表と同時に客席から祝福の拍手が送られた。

告知の後にはタオルを振り回して会場全員で盛り上がる「MY SWEET UNIVERSE」、ありがとうという感謝の気持ちを綴りつつも寿司ネタが裏テーマであった「TUNE UP」を立て続けに披露。客席を通って会場後方に設置されたサブステージへ向かい、その場で歌唱すると会場のボルテージも最高潮にまで達した。一気に会場が熱気に包まれる様子は、度数の高いカクテル「ルシアン」のようだ。様々な曲でミックスされたライブもいよいよラスト。最後は心地よい音色で自身も歌っていて気持ちがよいという「gradation」をしっとりと歌いあげた。

アンコールに応えて登場した立花はライブTシャツにショートパンツという装い、そしてツインテール姿で「カラフルパサージュ」を再度歌唱。笑顔のまま歌い切り、ライブを締めくくった。ここまでカクテルをステアし、提供してきた彼女。しかし、最後はみんなで一緒に楽しくビールを飲んでいるようであった。それも実に彼女らしい。

ライブで彼女は、声優になる前のタレント活動で公開ラジオに出演した際、来てくださった方が一人だったときがあったと言葉にし、「一人でも見に来てくださる方がいる限りは頑張っていきたい」と、駆け付けた方々への感謝と併せて決意を露わにしていた。そんな真剣に感謝を伝えてくれる姿も、クールに歌い上げる姿も、みんなで楽しく盛り上がろうとする姿も全部が立花理香。彼女の魅力がぎっしりと詰まっているライブであった。

●「立花理香 2nd LIVE ~colorful mixer~」
夜の部セットリスト
M1.REALISTIC
M2.赤いアネモネ
M3.KOTO-DAMA
M4.Flaming Rose
M5.Shining Memory
M6.marguerite
M7.Brand New
M8.Say Goodbye
M9.黒毛和牛上塩タン焼 680円
M10.緑の時計
M11.flowery night
M12.カラフルパサージュ
M13.MY SWEET UNIVERSE
M14.TUNE UP
M15.gradation
En.カラフルパサージュ