東京商工会議所は1月28日、「健康経営に関する実態調査」の結果を発表した。調査期間は2018年7月24日~8月10日、調査対象は東京商工会議所会員企業のうち、従業員300人以下の企業、有効回答は292社。

健康経営を実践している企業は20.8%

  • 「健康経営」を実践してみたいですか?(出典:東京商工会議所Webサイト)

「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考えて戦略的に実践する経営手法。今回の調査で健康経営の認知度を調べたところ、29.0%の企業が「内容を知っている」と回答し、2017年度の前回調査(27.4%)と比べて認知度は1.6ポイント高まった。

健康経営を「現在実践している」企業は20.8%にとどまるものの、「現在実践していないが、近い将来具体的な予定がある」(8.7%)、「いずれ実践したい」(54.3%)、「必要だと思うが、実践できない」(14.2%)を合わせると、約98%が健康経営の実践に関心を持っていることがわかった。

実践している具体的な取り組みについては、健診・検診(健康診断受診率 100%、人間ドックの費用負担)、労働時間等の適正化(ノー残業デイの設置 ・有休取得の推奨等)、禁煙・分煙(事業所内の完全禁煙、禁煙の推奨等)、スポーツイベントの実施(ウォーキング大会等の社内イベントの実施、ラジオ体操の実施等)、メンタルヘルス(産業医や保険師との面談実施、メンタルヘルスチェックの実施等)、ストレスチェック(ストレスチェックの実施・フォローアップ等)、職場環境改善(希望者へ椅子としてバランスボールを支給、事業所内に健康器具や血圧計の設置 等)、健康企業宣言(健康企業宣言への参加)があげられた。

健康経営に取り組む上での課題を聞くと、「人員がいない」(26.0%)、「予算がない」(22.6%)といったリソースに関わる要素より、「どのようなことをしたらよいか分からない」(45.5%)、「ノウハウがない」(36.6%)などハウツー不足を挙げる企業が多かった。

健康経営を実践するにあたって必要だと思う支援は、「ノウハウの提供(ハンドブック等)」が52.4%でトップ。次いで「補助金・助成金」が42.1%、「他社事例の紹介」が35.3%、「インセンティブの拡充(税制優遇、金利優遇)」が24.9%と続いた。