――"死体"役のとまんさんも入れて、ほぼ13人だけがメインで出演する映画って、なかなかないですよね。

そうなんです。だから、アップが多いですよね。撮り方も舞台のようで、40分くらいカメラを回し続けて、感情が途切れることがありませんでした。そういう意味では、やりやすかったです。ただ、セリフの量はかなりありました。台本でいうと、13ページくらいを一気に、しかも何度も演じるので、その点は大変でした。

――撮影の合間は何をされていたんですか?

印象的だったのは、男子チームでごはんを食べたことでした。ずっと病院の中での撮影だったので、昼休憩で部屋に集まって「さっきのシーンどうだった?」とか、話しながら食べていました。(セイゴ役の)坂東龍汰は「俺大丈夫かな!?」ってすごく気にしてたことを覚えています。

――新田さんが普段役者として面白いことや、今回の作品でワクワクしたことを教えてください。

芝居同士でぶつかり合う所に、すごくワクワクしました。展開が読めないですし、その瞬間にしか撮れない、役の気持ちが映っている……と考えるとものすごく良いですね。2度と同じことはできない。毎回そうですけど、今回の映画でも、そういうシーンがたくさんありました。

――今回このシーンが、と挙げるとしたらどこでしょうか?

やっぱり、シンジロウが感情をあらわにするシーン。そこに向けて、気持ちを作っていきました。本当に監督には自由にやらせてもらって、逆に「いいのかな?」と、怖かったくらいです。後から聞いたら大丈夫だったらしくて、安心しました。

■新田が語る高杉の印象

――最後になりますが、このくじを引いていただいて、出てきた番号の方について語ってください。

1番、高杉真宙君ですね。終始不敵な笑みを浮かべるサトシという役なんですけど、だんだん、普段から不敵な笑みで何かを企んでるようにしか見えなくなってきて(笑)。一緒にお弁当を食べたんですけど、お弁当食べながらも、何か企んでるのかな? と思っていました。最初に高杉君が13人目として部屋に入ってくるシーンも印象的で。本当は、すごく優しいお兄ちゃんなんです。でも、その優しさも不敵に見えてくる。

――となると、高杉さんの印象を一言で表すと…

「不敵な笑みを浮かべる人」ですね(笑)。

■新田真剣佑
1996年生まれ、米ロサンゼルス出身。2014年より日本を拠点に活動をスタート。『ちはやふる –上の句–/–下の句–』(16)で第40回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞する。主な作品に『チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(17)、『ピーチガール』(17)、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(17)、『ちはやふる –結び–』(18)、『パシフィック・リム:アップライジング』(18)、『OVER DRIVE』(18)、『劇場版 コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(18)など。1st写真集『UP THE ROAD』が2月1日発売。

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