とある会社の仕事風景を覗いてみると、アフター5は合コンばかりでチャラチャラ飲みにいっているのに、きっちり仕事もできる、そんな男性社員を見かけるものです。同僚社員の多くが「俺の方が真面目に仕事しているのに……」と感じているにもかかわらず、なぜか仕事の成績もそのアフター5合コン社員の方が勝っています。

  • 2,000回以上の合コン経験を持つ、男性向け恋愛アドバイザーが合コンと仕事力の関係性について解説(写真:マイナビニュース)

    2,000回以上の合コン経験を持つ、男性向け恋愛アドバイザーが合コンと仕事力の関係性について解説

こんな例を筆頭に、「合コンに勤しんでいるヤツは仕事もできる」などという都市伝説もありますが、果たしてこれは本当なのでしょうか?

足掛け30年にわたる2,000回以上の合コン経験を生かして、かつては17年外資系証券会社の営業マンとして、現在では男性向け恋愛アドバイザーとして活動する筆者が、この謎について迫ります。

合コンで身につくのは"営業力"

まず、結論から申し上げると合コン参加の経験を積むことによって、間違いなくビジネス能力は上がります。単なる合コンの一般参加者としてもその傾向はありますし、合コン幹事の経験を重ねれば、よりその傾向は顕著になります。

合コン幹事を務めることによって醸成される代表的なビジネス能力は「営業力」です。

ここでいう営業とは、「得意先を回って顔つなぎをし、商品の紹介、売り込みをすること。また、新しい得意先を開拓すること」と定義します。恐らく、どの企業であってもこの役割をこなす営業マンが存在しているはずです。

顧客に商品やサービスを販売したり、場合によっては買い取ったりする、つまり顧客と取引を行う際の企業の担当者が営業マンです。一般的には、一度の取引において、利益率が高い取引を行い、大きな収益をあげられる営業マンは、企業にとっては有難い存在です。

また、利益率の低い取引であっても、規模の大きな多量の売買注文を得られれば結果として相応の水準の利益額を得ることができます。なので、利益率もしくは取引量を考慮しながら、会社が求める水準の収益を安定的にあげられる人材は優秀な営業マンです。

そうした優秀な営業マンは、顧客のニーズを正確に把握し、顧客の求める価値を付加した商品やサービスを適切なタイミングで提供できます。そして何より、顧客がその営業マンを信頼して、他のライバル会社の営業マンからではなく「この営業マンから商品を買いたい」という状態を作り出しています。

このように、高い営業力を身に付けるためには、主に

1.商品や自分自身に付加価値をつける弛まぬ努力
2.その付加価値をきちんと顧客に伝えるマーケティング力
3.常に多数の顧客候補を抱えていること
4.顧客から強い信頼を得ていること

といった要素が必要になってきます。

実は、合コンを幹事として継続的に主催すると、上記の4つの能力を身に付けられ、営業力は着実に醸成されていきます。

ビジネス視点から見る"合コン"

合コン幹事は、まさに合コンを商品とする営業マンです。合コンに参加費を払って参加する男性参加者は重要顧客。女性は参加費を支払ったとしても少額ですから大きな収益対象にはなりませんが、女性が来てくれないと合コンが成立しないので、やはり重要な顧客と言えます。

これらの顧客に商品である合コンへの参加、つまり合コンを購入してもらうには、主催する合コンの付加価値を高める必要があります。顧客にとっての合コンに対する付加価値は種々ありますが、一番はやはり魅力的な異性の参加です。

なので、優秀な合コン幹事は、自分が主催する合コンの付加価値を高めるために常日頃より男性から見て魅力的な女性、女性から見て人気のある男性との新たな出会いを強く意識して行動するようになります。このように、合コン幹事を行うと商品や自分に価値を付加することが習慣化されます。

合コン幹事の仕事は合コンの開催日程を決定したらそれで終わりではありません。例えば、ある女性幹事に友達を連れてきてもらう約束を取り付けたとします。しかし、その後で男性候補者に対して、如何に素敵な女性が参加するかしっかりと合コンの価値を伝えることができなければ、男性参加者を確保できず合コンは成立しません。従って、合コン幹事を務めるのは、正確に価値を伝えるマーケティング力の養成に繋がります。

また、新たに知り合った男性や女性は合コン幹事から見たらそれ以降の合コン新規参加者候補です。彼らとの出会いは、営業的視点で見れば、まさに新規顧客候補の開拓に他なりません。

そして、実際に合コンを開催するに至っても、参加者がその合コンに満足しなければ、自らが主催する合コンに二度と足を運んでもらえません。逆に言うと、リピーター参加者を作り出せている合コン幹事は、参加者が満足するクオリティの高い合コンを開催し続けていると言えます。それはつまり、顧客たる参加者から深い信頼を得ていることを意味しているのです。

このように、合コン幹事を務めれば、優秀な営業マンとして必要な4つの能力を身に付けられます。営業力を筆頭に、合コン幹事の経験を積めば、様々なビジネスに必要な能力を劇的にアップさせることができます。「仕事がデキる男になって一皮剥けたい」と願う男性にとって、合コン幹事はうってつけのチャンスなのです。

筆者プロフィール: アモーレ石上


1973年生まれ。埼玉県狭山市出身、在住。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、和光証券(現みずほ証券)、ベアー・スターンズ証券、バークレイズ証券、クレディ・アグリコル証券にて計17年営業マンとして勤務。現在は、一般社団法人スマート男子育成協会代表理事。2,000回の合コン経験と100名以上の女性との交際体験を経て、恋愛ノウハウを習得。かわいい彼女作りのノウハウを学べる「スマート男子養成講座」を展開し、理想の彼女を作り自信を持った男性を世に大量輩出することを使命としている。