報道番組やバラエティ番組などさまざまなジャンルの番組に出演し、2018年は声優に初挑戦するなど、幅広い活躍を見せているホラン千秋(30)。2017年4月よりTBSの報道番組『Nスタ』(毎週月~金曜15:49~ ※地域により異なる)のキャスターに就任し、すっかり“夕方の顔”に。もともと定評のあるコメント力や頭の回転の速さを存分に発揮している。
このたび、ホランが進行を務めるCBC・TBS系バラエティ特番『健民+県民~No.1 健康県に学べ!~』(2019年1月2日8:00~9:00、全国28局ネット)の収録後に本人にインタビュー。キャスターを中心に現在の活動について話を聞くと、長年培ってきたバラエティの経験がキャスターに生かされ、逆に、キャスターとしての経験もバラエティにも生きていると、報道番組とバラエティの相乗効果を実感しているという。
2018年は「タレント番組出演本数ランキング」女性タレント部門3位と大活躍の1年となったが、2019年はどんな年にしたいのか。今後の目標や目指す将来像についても語ってもらった。
■キャスターやMCとしての心構え
――『Nスタ』のキャスターに就任されて約2年。就職活動のときにアナウンサー試験を受けていたそうですし、幅広く活躍されている中でキャスターというのは特に思い入れのあるお仕事なのでしょうか?
アナウンサーになりたかったというよりは、テレビ局で「何かを伝える仕事」がしたいと思っていて、そのうちの1つの形がアナウンサーだったということだと思います。番組制作の採用試験も受けていて、とにかくテレビの世界で仕事をしていくために、チャンスがあればすべて挑戦してみようと思って。採用試験は全て落ちましたが、今こうしてニュースを読む仕事に携わることができているのは感慨深いですね。
――キャスターの仕事が一番しっくりきていますか?
「しっくりきている」だなんて恐れ多いです! どんなジャンルの仕事も好きですよ。毎日違うことをやっているのが好きなので、キャスターをやったりバラエティに出演したり、今回の健康番組のように進行をやらせてもらったり、今いろんなことにチャレンジできていることがとてもうれしいです。
――本当に出演番組が幅広いですが、それぞれの番組に合わせた発言やテンションにされていますよね?
そうですね。バラエティは特に「本音」の部分が求められるので、半歩踏み込む、一歩踏み込むということはあります。基本的に自分の意見はどの番組でも変わりませんが、「私的」なエッセンスをどれくらいの濃度で自分の発言に反映させるか…そのチューニングかなと思います。
――キャスターとして意識していることを教えてください。
報道番組に限らず、バラエティでも情報番組でも、色んな見方ができる問題については、自分と反対の考えの人たちにも理解してもらえるような言葉選びを意識しています。賛成意見も反対意見も両方に一理ある、という場合は特に。一方的に自分の立場の思いだけを言うのではなく、例えば相手側の意見にも理解を示してから自分の意見を言うとか。時間の問題や編集の都合で言えなかったりカットされたりすることもありますが、できる限り自分の言葉に責任をもって、誤解を生まない言葉選びを心がけています。
――生放送でもすごく落ち着いて発言されていますが、緊張しないタイプですか?
いえ、緊張します! 第一声まですごくして、第一声とともに緊張も吐き出している感じです。だからか第一声でかむことが多いんですけど、ここでかんだからあとは大丈夫ってなるんです(笑)。でもよくよく考えたら第一印象が決まる第一声でかむってとてもダメなことですよね…まだまだ精進が必要です(笑)
――今回のように進行役を務めるときに意識していることは?
進行は、ただそのタイミングが来たら台本を読めばいいわけではなく、直前の会話からスムーズに次の流れにつなげることが大切だなと思っているんですが…難しいですね。終わったかな、まだ続くかな…っていうタイミングを計るのはドキドキしています。
――この『健民+県民~No.1 健康県に学べ!~』には、“ご意見番”として三宅裕司さん、ゲストとして古坂大魔王さん、小柳ルミ子さん、牧野ステテコさんが参加され、笑いの絶えない収録になりましたね。
「進行の私がどうにかしなきゃ」と思うのではなく、三宅さんという大先輩がいらっしゃるので、勝手に大船に乗ったつもりで安心して進行ができました。三宅さんは共演者のちょっとしたひと言やボケを丁寧に拾って全部笑いされるので、本当にさすがだなと。ご一緒させてもらうとすごく勉強になります。
■報道番組とバラエティの相乗効果
――キャスターの経験はほかの番組にも生きそうですね。
そうですね。キャスターは、突発的なことが起きた時に落ち着て対処するというのが大事なので、生放送で培ってきた対応力はどこでも生きると思います。逆に、バラエティの現場で学んだことも生放送の瞬発力に生きているなと感じていて、相乗効果というか、互いに良い影響があってありがたいです。
――『Nスタ』就任決定のときにプロデューサーがホランさんの瞬発力を評価されていて、約2年経験されてさらに磨かれているのかなと思うのですが、ご自身としてはいかがですか?
自分ではそんなに瞬発力があるとは思わないですが、バラエティで鍛えられた部分が少しはあるのかな…(笑)。報道番組ではニュースの原稿がありますよね。もちろんフリートークの部分もあるので、そこは出演者に任せられている部分ですが。突発的なニュースが入ってくる緊張感はいつもありますが、 基本的にどの順に何のニュースを伝えるかを記した進行表があるので、次何をするべきなのかは予め分かっています。それに対し、バラエティは台本がない。出演者次第で右にも左にも転ぶ可能性があるので、やってみないと何が起こるか分からないドキドキ感があります。バラエティで勉強させてもらった瞬発力は今も非常に生きていると思います。
――さまざまな番組を経験するというのは大切なんですね。
私はそう思っていますね。笑いを届けたり生活情報を届けたり、事件の詳細を伝えたり。伝える「中身」こそ違いますが、「何かを伝達する」ということ自体は同じなんです。その現場に合わせた言葉やテンションに少し調整するだけだなと。いろいろな番組をやっていて気づきました。