ベネッセスタイルケアの社内シンクタンク「ベネッセ シニア・介護研究所」とパーソル総合研究所は12月7日、介護離職に関する調査結果を発表した。調査期間は2017年12月27日~2018年1月5日、調査対象は介護業界の現場職を過去10年以内に離職した人(20~65歳)、有効回答は1,600人。
離職した介護職のうち、31%が入社1年未満、61%が3年未満に離職していることが判明。また離職した介護職の55%(無職含む)が業界外に流出しており、条件に寄らず介護職への明確な復職意向がある人は6%にとどまっているものの、条件次第で復職したい人は52%いることがわかった。
離職理由を聞くと、「給与の低さ」が21.3%で最多、次いで「キャリアの見通しのなさ」が17.3%と続いた。離職までの在籍期間別にみると、入社後1年を過ぎると、給与の低さやキャリアを不安視する人が多くなり、特にキャリアの見通しのなさにより離職する人が急増していた。
同調査では、「キャリアの見通しのなさ」による離職には「仕事内容が変わらないこと」や「給与・報酬が上がらないこと」が影響していると分析。また、ロールモデルや相談相手の存在が「キャリアの見通しのなさ」を和らげる効果が確認されたとし、上司や職場の周りの人たちが「仕事ぶりを評価したり相談にのったりすることが、本人のキャリアアップを支えるとともに離職を食い止めることにもつながるのではないか」と指摘している。