厚生労働省は10月23日、2018年「就労条件総合調査」の結果を発表した。それによると、2017年の年次有給休暇の取得率は51.1%となった。

有休取得率、最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」

  • 労働者1人平均年次有給休暇の取得状況(出典:厚生労働省Webサイト)

同調査は民間企業における就労条件の現状を明らかにすることを目的として行っているもの。対象は常用労働者30人以上の民営企業で、このうち6,370社を抽出して2018年1月1日現在の状況について1月に調査を実施した。有効回答は3,697社。

2017年(または2016年会計年度)1年間に企業が付与した年次有給休暇日数は、労働者1人平均18.2日で前年から横ばい。このうち労働者が取得した日数は前年比0.3日増の9.3日。取得率は同1.7ポイント増の51.1%と3年連続で増加したものの、政府が掲げる2020年までの目標値70%を大幅に下回った。

取得率を企業規模別にみると、「1,000人以上」が58.4%、「300~999人」が47.6%、「100~299人」が47.6%、「30~99人」が44.3%となった。

産業別では、「電気・ガス・熱供給・水道業」が72.9%と最も高く、次いで「複合サービス事業」が64.7%、「鉱業、採石業、砂利採取業」が62.9%、「情報通信業」が59.8%、「製造業」が58.4%と続いた。反対に最も低かったのは「宿泊業、飲食サービス業」で32.5%だった。

また終業時刻から次の始業時刻まで一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル制度」の導入状況を調べたところ、企業の89.1%が「導入予定はなく、検討もしていない」と回答。一方、「導入を予定または検討している」は9.1%、「導入している」は1.8%にとどまった。