新生活をはじめるために必要な家財道具のうちすぐに必要になるもののうちの一つに、引っ越ししたその夜から必要となる寝具があります。すぐに使いたいからと、間に合わせで買ってしまうと、大きいものは捨てるにも替えるにも億劫になってしまい、結局2年、4年と次の引っ越しまでそのまま、なんてことも……。寝具のなかでもマットレスは、睡眠の質や日々の疲れやすさにも関わってくるだけに、慎重によいものを選びたいですよね。

自分に合わないものを選んでしまうと、腰痛や睡眠不足を招いて後悔することになりかねません。そこで今回は、マットレス選びに役立つ情報をご紹介します。

マットレスのチェックポイント

自分に合うマットレスとは、一体どんなものなのでしょうか。マットレスは、厚み、硬さ、触り心地、サイズなどのバリエーションが豊富で、自分に最適なものを見極めるのは結構大変です。

そこで、マットレスを選ぶ際にチェックしたい5つのポイントをご紹介します。

理想の寝姿勢になるかどうか

椅子や車の後部座席で仮眠をしたら、体に痛みがでたり眠りが浅くてすぐに目が覚めてしまうといった経験はありませんか?寝るときの姿勢は、睡眠の質や体に大きな影響を及ぼします。

店舗へ出かけた際には、実際にマットレスの上で横たわってみてください。仰向きや横向きの姿勢で、体が沈み込んだり、背骨が反って腰が浮いた状態にならないかなどを確認しましょう。自然な背骨のラインを保てているかどうかもチェックしましょう。好みはありますが、ふかふかして何となく心地いいことよりも、体重や体のバランスに適した硬さかどうかが、理想の寝姿勢にとって大切なポイントになります。

寝返りを打ちやすいかどうか

硬さに加え、シングルやセミダブルなど、マットレスはサイズが豊富です。一人暮らしだからとシングルに決めてしまう人がいますが、体が大きかったり寝相が悪かったりすると、寝返りが打ちにくく、寝苦しさにつながってしまいます。お部屋の広さにも関わってきますが、できるだけ余裕があるサイズのマットレスを選ぶと、寝返りが打ちやすくなるでしょう。

寝返りには体の1点にかかる圧力を分散させ、血流をスムーズにしたり、肩・腰などを痛めないようにしたりする働きがあります。また睡眠のリズムを整える働きもあるため、寝返りを打ちやすい適度な硬さや広さをもったマットレスかどうかが重要になるのです。

体にかかる圧力を上手く分散できるかどうか

硬すぎるマットレスの場合は、硬い床に寝転ぶのと同様、体が痛くなりやすいですよね。この痛みは、体の一か所に圧力が集中して血行が悪くなるために起こります。寝返りでも分散させることはできますが、頻繁な寝返りは決して安眠にはつながりません。深い眠りを得るためには、体への圧力を分散させる機能も必要です。

通気性がよいかどうか

高温多湿の日本では、寝具においても湿気への対策がポイントとなります。睡眠中の汗なども影響し、布団の中は湿気がたまりやすい環境になっています。カビやダニから身を守って快適な睡眠環境を保てるように、通気性をもったマットレスを選びましょう。

負担に感じないお手入れができるかどうか

マットレスには湿気などがたまりやすく、掃除機をかけたり風に当てるなどのお手入れが必要になります。軽量でマットレスの移動や裏返しが楽にできるものなど、自分にとって楽にお手入れができるものがおすすめです。

マットレスの種類

マットレスにはさまざまな種類の素材があり、それぞれで寝心地や使い心地が異なります。ここでは、国内で流通している主なマットレスの素材について、特徴をふまえながらご紹介していきます。

ウレタンマットレス

低価格帯から高価格帯まで、さまざまなマットレスに使われているのがウレタンです。同じウレタン素材でも、「高反発ウレタン」と呼ばれるものと「低反発ウレタン」と呼ばれるものがあり、この2つは異なる特徴をもっています。

高反発ウレタンマットレスは薄くて軽量ながら、高密度で弾力性と復元性が高いため、体をしっかりと支えるサポート性が高いのが魅力です。低反発ウレタンマットレスは、加圧に対してじんわり戻る機能があるため、体がゆっくりとマットレスに沈み込むような使い心地で、柔らかいマットレスが好きな人に好まれます。高反発ウレタンも低反発ウレタンも、ウレタンの密度によって価格や使用感、耐久性に大きな差が出ます。

コイルマットレス

金属のバネであるコイルスプリングを利用したマットレスです。マットレスの中は空洞のため比較的通気性がよくなります。コイルスプリングが連結している「ボンネルコイルマットレス」と、一つひとつが独立した「ポケットコイルマットッレス」の2種類があります。

寝心地は、面ではなく点で体を支えることで体圧を分散させるポケットコイルのほうが快適と言われています。ただ、どちらも金属を使用した重くて厚みのあるマットレスになるため、移動やお手入れが大変という難点があります。

高反発ファイバーマットレス

絡み合った細い樹脂を利用してできた高反発ファイバーマットレスです。薄さと軽さ、抜群の通気性と耐水性をもつのが特徴です。素材の密度によって耐久性が異なったり、薄さやよすぎる通気性のために寒さを感じる人がいるかもしれません。製品によっては熱に弱い原料からできているものがあるため、冬場の電気毛布などの使用には注意が必要な場合があります。

ラテックスマットレス

一般的に流通している数は、ほかのタイプのマットレスと比較して多くはありませんが、ラテックスマットレスという天然ゴムで作られたマットレスもあります。柔らかい寝心地が好きだけれど、体が沈み込むのは避けたいという人におすすめの素材です。通気性は余りよくなく、天然ゴムアレルギーの人は使うことができません。

自分にあったマットレスを探そう

素材の種類だけでもさまざまなバリエーションのあるマットレス。同じ素材でも密度や工法によって性能が異なり、寝心地も違ってきます。今はネットや通販などでも気軽にマットレスを購入することができますが、自分にとってよい眠りにつながるマットレスを見つけるためには、実際に寝転んだりして検討することが重要です。

また、マットレスは価格の幅も広く、1万円以下から何百万円もする高級なものまで、さまざまです。価格が高いとよいものに感じますが、腰痛や肩こりなど、さまざまなニーズに応えた商品も販売されているので、自分の予算とニーズ、そして体に合ったものを選ぶようにしたいものです。

できれば各マットレスメーカーのショールームなどに足を運び、専門のスタッフに寝る姿勢などを確認してもらうとよいでしょう。きちんと自分の体で確認することで、より理想的なマットレスに出会える可能性が高くなりますよ。

また、ホテルに採用されているような高級マットレスを試したい場合は、実際にそのマットレスが採用されているホテルに宿泊して、ひと晩ゆっくり寝心地を確かめるという方法もおすすめです。

おわりに

睡眠のために毎日利用するマットレス。だからこそ、引っ越し間際に慌てて購入するのはオススメできません。自分に合ったマットレスを選ぶことは、健康的な体づくりや疲労回復にも重要です。

睡眠時間を快適に過ごすための投資として、ほかの家具よりも慎重に余裕をもってマットレス選びをおこないましょう。あなたの体にピッタリと合った新しいマットレスを見つけて、快適な新生活を送ってくださいね!


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