NTTドコモは2019年3月(予定)、ドコモの回線の利用者向けに、金融機関が新たな融資サービスを提供する仕組みとして、「ドコモ レンディングプラットフォーム」を提供開始する。

  • (左から)マネーフォワード代表取締役CEOの辻庸介氏、NTTドコモ代表取締役社長の吉澤和弘氏、新生銀行代表取締役社長の工藤英之氏

このプラットフォームは、ドコモのビッグデータを活用した「ドコモスコアリング」の提供、スマートフォンアプリ「レンディングマネージャー」の提供、ドコモが提供する各種サービスとの連携という3つの特徴を備えている。

ドコモ利用者の信用スコアを融資審査に活用

ドコモスコアリングは、ドコモ各種サービスの利用状況などのビッグデータを解析し、自動的に算出した利用者ごとの信用スコアを金融機関の審査に活用できる仕組み。

金融機関は、この信用スコアを活用した審査を行うことで、個々人の状況に合わせた適切な金利・貸出枠を設定することが可能になる。なお、この信用スコアは融資サービスを申し込む際、利用者の同意のもと算出され、手続きの中でのみ活用されるという。

  • 「ドコモスコアリング」の提供イメージ

借入から返済までをアプリで

レンディングマネージャーは、融資サービスの利用者向けのスマートフォンアプリ。金融機関での借入から返済までのすべての手続きがこのアプリ一つでできることに加え、利用者ごとの家計と借入状況を可視化し、最適な返済計画をアドバイスする。

このアドバイスにより、利用者が無理のない返済計画を立てられるとともに、金融機関が返済期間の短縮や金利の節約など、利用者に寄り添った融資サービスを提供することができる。返済計画のアドバイスは、マネーフォワードとの提携により提供する。

  • 「レンディングマネージャー」画面イメージ

「dアカウント」や「ドコモ口座」などと連携

プラットフォームは、「dアカウント」や「ドコモ口座」など、ドコモが提供するサービスと連携。例えば、ドコモのバーチャルウォレットサービスであるドコモ口座と連携し、金融機関が利用者のドコモ口座に融資金を24時間365日、いつでも入金することができる。

また、利用者が融資金の出金にセブン銀行ATMを利用すると、ドコモ口座アプリを使って24時間365日(セブン銀行ATMが設置されている施設の営業時間外を除く)、スマートフォン一つでスムーズに出金できる。

なお、プラットフォームを活用した融資サービスの第一弾として、新生銀行が2019年3月に新たな融資サービスを提供する予定。

キャッシュレス化、投資、保険サービスも展開

NTTドコモでは今回発表された融資サービスのほか、フィンテックの取り組みとして、キャッシュレス化決済・送金、投資サービス、保険サービスを展開している。

キャッシュレス化決済・送金では、クレジットカード「dカード」の契約数は1,900万超、そのうち「dカード GOLD」は450万超と拡大している。スマートフォンに表示させたバーコードなどを使って、実店舗での買い物代金を毎月の携帯電話料金と合算して支払えるスマホ決済サービス「d払い」も4月25日に開始。11月26日にはドコモ口座のセブン銀行との連携を開始する。

投資サービスでは、5月16日に開始された手持ちの「dポイント」を使って投資体験ができるサービス「ポイント投資」の利用者が30万人突破。同日開始した、お金のデザインが提供するロボアドバイザーによる自動運用で少額から資産運用ができるサービス「THEO+docomo」も好評という。

保険サービスでは、東京海上日動火災保険と提携。AIが利用者に合った保険を提供する「ケータイに任せる保険」の検討を開始しており、2019年度の上期を目途に提供開始したいとしている。