皆さんは、「インセンティブ」というビジネス用語をご存知でしょうか。よく耳にするし、ざっくりとは理解しているつもり……という人もいるのでは?

今回は、知っているようで知らないビジネス用語インセンティブについて解説します。

  • 「インセンティブ」を正しく理解していますか?

インセンティブの意味

インセンティブの語源は英語の【incentive】で、「刺激」や「動機」という意味です。ビジネス用語としてのインセンティブには、「やる気を起こさせるような刺激。動機付け」「企業が成果を上げた社員や販売店に特別に支給する報奨金」「値引き」といった意味があります。

インセンティブの使い方と例文

ビジネスシーンにおけるインセンティブは、主に、報奨金のことを指します。前述のとおり、「やる気を起こさせるような刺激。動機付け」という意味でもありますが、この動機付けとして用意されるものが何らかの報酬であるケースが多いため、「報奨金」という意味合いが強いのです。

報奨金の例としては、一時金(賞与・ボーナス)や賞金のほか、昇給、物品、旅行の場合もあります。通常支払われる固定給とは別に、臨時報酬として与えられるものになります。

ここで、「ボーナスはインセンティブではない」という考え方について、少し触れたいと思います。この考え方は、ボーナスが年2回、必ず全員に与えられるような企業では、ボーナスは事実上年収の一部と捉えられることにあります。

ただし、ボーナスの金額には、通常、1年間の業績が反映されます。そのため、従業員にやる気を起こさせるものでもあり、成果に対するご褒美ともいえます。この辺の考え方については、企業の規模や給与形態や働き方など、それぞれの状況によって違ってくるのではないでしょうか。

報奨金を用意することで、従業員や販売店のやる気を起こさせ、結果として企業は利益を得ることができるのです。

企業によっては、成果に応じて報酬がプラスされる出来高制度を取り入れているケースがありますが、これを「インセンティブ制度」と呼びます。主に営業職に多く見られる制度です。

インセンティブの例文

・実績に応じたインセンティブを支給します。
・インセンティブとして、社長表彰を用意しよう。
・インセンティブが働いている。

インセンティブを設けることで、結果的に良い業績が上げられた場合に、「インセンティブが働いた」と表現します。

顧客へのインセンティブ

インセンティブには、「値引き」という意味もありましたね。顧客に対するインセンティブとしては、「値引き」が最も分かりやすい戦略といえます。値引きが、その商品を購入する動機付けになるというわけです。

スーパーを事例にあげると、顧客の集客のために、値引きセールのちらしを配布したり、店頭に値引き商品を陳列することで購買意欲を高めたりします。値引きセールのことを、「インセンティブセール」とも呼びます。

また、「くじ引き」や「抽選会」なども有効なインセンティブになります。「○○円以上お買い上げごとに1回」などと条件を提示することで、顧客に「それ以上買わなきゃ」という意識を与えることができます。

食品メーカー等が、「パッケージの応募券○枚で1口」などと設けている「懸賞」も同じです。さらに、電子マネーやネットショッピングで付与される「ポイント」も、インセンティブの一つです。

このように、集客のためのインセンティブはさまざまあり、今や、いかに魅力的なインセンティブを用意するかが、集客に直結するといっても過言ではないでしょう。政府がキャッシュレス化を推し進める中、次はどのようなインセンティブが登場するのか、ユーザーとしては楽しみでもありますね。


人間とは単純な生き物で、ご褒美がもらえるとなればやる気も出るし、おまけや特典が付いてくるとなれば、つい飛びついてしまうものです。インセンティブをうまく活用し、企業の業績アップにつなげていきましょう。