武田は、「猿渡ファーム」で三羽ガラスと一緒にトラックの荷台でみーたんの映像を観ているカットを挙げ、「一海はみーたんが大好きなんですが、こいつら(三羽ガラス)と一緒にみーたん、みーたんと騒ぎながら過ごしていた時間そのものが楽しくて、愛おしいんだと思います」と、三羽ガラスとの強い絆を改めて実感するように語った。
滝は「スパイであることを告白した紗羽が、美空と一緒に食事をする(エンディング)シーン」を挙げ、「武藤さんによると、紗羽って当初の構想ではずっとワルいままだったそうなんですけれど、この食事シーンの雰囲気がよかったので、今のようにみんなの仲間になることができたんです」と裏話を明かした。越智は最終回、新世界において「工場で働く内海の笑顔」を挙げ、「内海がふつうに生きることができてよかった」と、平和な幕引きを迎えた自身のキャラクターの幸せを喜んでいた。
金尾は第22話冒頭であらすじ紹介を担当したシーンを挙げて、「ここでは私が『いい声してるだろ? 声の仕事は得意なんだよ』というセリフがあったりして、気にいっております(笑)。まさかオープニングにまで出られるとは……包容力のある現場ですよね」と、まさかのメタ発言も積極的に取り入れる『ビルド』現場の楽しさを実感していた。前川は自身のクランクアップでもある「石動が戦兎のパンチを受け止める」シーンを挙げ、「エボルトは常に余裕を持って、人間を下に見る態度を取っていたんですけれど、ここでは少し"これは負けるかもしれない"という気持ちが芽生えて、必死になりはじめているんです。両者の気持ちがぶつかる、いいシーンです」と称えていた。
高田が挙げた名シーンは、最終回で「戦兎の背中を押す仲間たち」のカット。ここで高田のクランクアップを祝うため、すでに出番の終わった前川がスタンバイしていたのだが、サプライズで現場に入っていたはずの前川が事前に高田と対面してしまったという裏話があった。それゆえ、高田は前川がサプライズで現場に入っていることを武田や滝にしっかりと黙っていたそうだ。
赤楚は、名シーンをどれにするかいろいろ悩んだ結果、第1話の「戦兎と万丈が出会ったシーン」を挙げ、「これがすべての始まりですからね」と感慨深くコメントした。犬飼は「最終回で、第2話冒頭のナレーションを戦兎と万丈がしゃべり出すラストシーン」を挙げ、「あのシーンは、丘の上でかけあいをしている2人からカメラがどんどん引いていって、地球全体が映っていくでしょう。でも現場では、僕が赤楚を突き飛ばして、赤楚がゴロゴロ~って転がって、僕がそれを追いかけて森の中に入っていくところまで撮っているんですよ」と現場でのアドリブ演技を解説した。赤楚が「なんで突き飛ばしたんだよ!」と尋ねると、犬飼は「いやあ、どんな反応するかなって」と涼しい顔をして、2人が素の状態から戦兎と万丈のような雰囲気を備えていることを示していた。
最後には、犬飼、赤楚、武田、水上、越智、前川による「変身ポーズ」が披露され、満場の客席が沸いた。前川は金尾の声に合わせて仮面ライダーエボルに、武田は「Are You Ready?」の声に「できてるよ」と返しつつ仮面ライダーグリスブリザードに、越智は仮面ライダーマッドローグに、水上は仮面ライダーローグに、そして赤楚は仮面ライダークローズマグマ、犬飼は仮面ライダービルド ジーニアスフォームへの変身を見事に決めてくれた。
最後のあいさつで犬飼は、高校時代に先生から「あるマラソン選手は、途中で心が折れないように"あと何m先の電柱までは走ろう"と決め、その地点に来たら"次の電柱まで"と、少しずつ目標を決めながら42.195kmを完走するんだ」という言葉をもらったという。「その当時は先生が何を言っているのかわかりませんでしたが、1年間『ビルド』の撮影をやってきて、精神的にも体力的にもキツくなり、何度も心が折れそうになったとき、その言葉が思い出されました。僕にとっての"マラソンの電柱"は、ファンのみなさん一人ひとりの声援でした。SNSでコメントを寄せてくれる方たちの言葉、イベントで直接かけてくださる声、これらに僕を頑張らせてくれる何かがあるんだと思いました。『ビルド』を1年間走り抜けてこられましたが、ただ走り切ればいいというわけではありません。仮面ライダーシリーズとして、次にタスキを渡さなければいけないんです。無事に『仮面ライダージオウ』の奥野荘(常磐ソウゴ役)にタスキを渡すことができました。みなさん、これからも仮面ライダーの応援をよろしくお願いします!」と、1年間にわたる『ビルド』の撮影を見事に乗り切った犬飼は、改めてファンの声援に感謝の心を示し、仮面ライダーシリーズへの応援を呼びかけた。
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