お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志によるAmazonプライム・ビデオの新バラエティシリーズ『HITOSHI MATSUMOTO Presents FREEZE(フリーズ)』(毎週水曜更新)が9月19日から配信を開始した。密室に集められた参加者8人が、数々の仕掛けに驚かず耐え抜くと優勝賞金100万円を手にすることができるというルールで、Amazonでこれまで展開してきた『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』に比べ、松本が仕掛けに主導的な役割を果たしている。

その内容は、古典的なものから最新テクノロジーを駆使したものまで、肉体的にも精神的にも追い詰められるメニューが並び、いわば被害者となった参加者たちが記者発表会で、「松本さんのパワハラ」(諸星和己)、「変態の行く着く最終」(しずちゃん)、「殺意がわきました!!」(鈴木奈々)と、次々に不満をぶち上げていったほどだ。

この中で活躍するのが、フットボールアワーの岩尾望と、安田大サーカスのクロちゃん。従来の地上波バラエティで数々のリアクションを強いられてきた2人に、これまで味わったことのない精神的ダメージを受けた感想を聞いた――。

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    安田大サーカスのクロちゃん(左)とフットボールアワーの岩尾望

いつも通りマネージャーが何も教えてくれない

――今回の出演オファーはどのような形で聞いたんですか?

岩尾:「Amazonで松本さんの新企画です」くらいの感じだったと思います。『ドキュメンタル』とはまた違う企画だと聞きましたね。

クロちゃん:僕はいつも通りマネージャーが何も教えてくれなかったので、通常のお仕事だなと思いました。「とりあえずTMC(スタジオ)に行ったら大丈夫なんで」って言われて、何だろうと思いながら来ましたけど、まさかこんなことするなんて思わなかったし、松本さんの企画とも知らなかったから…

――それすら知らなかったんですか!?

岩尾:そうなん!? もう言われたら行くっていう体になってるやん(笑)

クロちゃん:ホントそうなんですよー。良くないですよ、この芸能界。っていうかうちの会社!

――「動かずに我慢する戦い」というのは、どのような心境で臨むんですか? 一発目から時限爆弾でしたが、“無の境地”みたいな感じになるのでしょうか?

岩尾:無の境地というより、一発目からかなりすごかったので、ここから徐々に過酷になっていくのかな、どんなもんが来るのかなという気持ちでしたね。

クロちゃん:あれが基準点になると思ったので、どこまで過激になるんだろうと思うと、恐ろしくなりました。

足蹴ったろうくらい思ったけど…

――他の人のリアクションでビックリして動いてしまうこともあるじゃないですか。目をつぶってはいけないんですか?

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クロちゃん:とりあえずルールは「止まる」だけなので、自分たちでもどこまでが「止まる」なのかというのが始めのうちは結構分からなかったんですよ。だから、目をつぶっていいのかも、いまいち分からなかったんですけど、たぶんダメなんだろうと思いながらやっていましたね。

岩尾:目をつぶってシャットダウンしてしまえば怖くないということもあるかもしれないですけど、それはダメだと思いましたね。

――あ、でも目をつぶって何が起きるか分からないという恐怖もありますよね。

クロちゃん:見えなすぎると、急に音がなった時ビクッとしちゃう!

岩尾:だから厳密に「目をつぶったらダメですよ」とか言われてないんですけど、みんなで真面目にルールを作っていきましたね(笑)。ここまではグレーなとこやけど、逃げたらアカンみたいな(笑)

――100万円を獲り合う敵同士のはずなのに、連帯感のようなものが生まれていたんですね(笑)

岩尾:とにかくみんなで耐え抜こうという感じはありましたかね。

クロちゃん:やっぱりズルしてやろうとも考えましたけど、やろうとすると自分が動いちゃったりするから、そういう小手先の技も全然使えなかったです。

――どんなズルをしようと思ったんですか?

クロちゃん:足蹴ったろうくらい思ったんですけど、どこにカメラがあるか分かんないし、ずっと撮られてるって言ってたから、これは本当にできないんだなと諦めました。

岩尾:(笑)

人がいてうれしかった

――今回のメンバーですが、ダイアモンド☆ユカイさん(※)や諸星和己さんなど、予想外すぎる面々もいましたが、いかがでしたか?

(※)…☆=六芒星
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岩尾:なんかもう本当に独特ですよね。芸人メンバーも、僕とクロちゃんとフジモン(藤本敏史)さんをくくっちゃうとそんなに憧れるような人じゃないし(笑)、ボビー(・オロゴン)がいたり、(鈴木)奈々ちゃんがいたりするところも含めて、何か頭脳で戦う感じはしなかったです(笑)

クロちゃん:氷の部屋みたいなセットだったので、エスキモーみたいな生活するのかなと思ったんですけど、入ったら岩尾さんとかフジモンさんがいたから、僕は芸人さんを見て安心したんですよね。

――あぁ、『水曜日のダウンタウン』(TBS)だと1人のパターンが多いですもんね。

岩尾:ああそうか!(笑)。「説」によっては1人で『FREEZE』やってるような時もあるもんね。

クロちゃん:そうなんです。シングル戦が多いから。目隠しの状態で誰も何も言ってくれなくてそこにずっといるとか、よくあるので、入った時に人がいてくれて、本当にうれしかったんです。ちょっとテンション上がってしゃべってたら、フジモンさんに「うるさいわ!」って怒られたので、なんだろうこの空気感とは思いましたけど。

岩尾:「人がいてうれしかった」って、違う星に来た人やん(笑)