アイウエアブランドとして知られる「JINS」が、2017年12月に会員制ワーキングスペース「Think Lab(シンク・ラボ)」をオープンした。“世界一集中できる環境”を目指してつくられたこの空間には、「音」や「光」、「香り」など、至る所に集中力を高めるための仕掛けが詰め込まれているという。そして現在、同スペースでは体験会も実施しているとのこと。早速その超集中環境を体感しに伺った。
理にかなった超集中環境
東京都千代田区、飯田橋グラン・ブルームの29階にスペースを構えるThink Lab。オープンデスク、ミーティングルーム、カフェスペース、リラクゼーションルーム、電話用ブースなどで構成された空間は、予防医学や行動科学の研究者である石川善樹氏と建築家の藤本壮介氏監修のもと、“集中”に必要な条件をデザインに落とし込んでいる。
集中には、リラックス状態とストレス状態が程よく共存していることが重要であるそうで、Think Labはその共存の成功例である「神社仏閣」から大きなヒントを得ている。「鳥居」から入り、「参道」を進み、開けた場所で「手水」を行い、「拝礼」を経て「本殿」へ。より深い集中へ入り込むためのプロセスとして、この構造が適しているのだ。
早速入り口をくぐると、24mの真っ暗な通路が。石畳の床はまさに「参道」の趣だ。歩を進めると、うっすらとウッド調の香りが漂っていることに気が付く。聞くところによると、弘法大師・空海が開いた真言密教の聖地である高野山(和歌山県)のコウヤマキの香りを採用しているのだという。
「参道」を抜けた先のドアを開くと、視界が一気に開ける。暗い通路から一転、明るさと広さ、そして緑が目の前に現れることで、脳と身体がリラックス状態に突入。これも深い集中に入るためのポイントなのだとか。
パートナー企業との連携による工夫が多数
そしてお待ちかね、メインとなるワークスペースの登場。整然と並んだデスクは、全て同じ方向を向いている。これは、他人と目が合うことで集中が阻害されるというシチュエーションを生まないようにするためである。さらに、耳を澄ますと足元からは水の流れる音が、天井からは小鳥のさえずりがかすかに聞こえてくる。目を閉じれば、もはやここはパワースポット以外の何ものでもない。そのほかにも、パートナー企業との連携により至る所にクリエイティブワークをサポートする仕掛けが。
オープンデスクの利用料は、7万円/月(初回登録費5,000円、日数無制限)。3人まで利用可能なチーム登録は、15万円/月となっている。そのほか、個室をオフィスとして活用できる「プライベートデスク(メンバー専用)」や、「ミーティングルーム(要予約)」も完備。プライベートデスクの利用料は、30万円/月に追加で利用人数×7万円が必要となる。ミーティングルームは、1,500円/30分~利用可能。
カフェスペースにもイノベーションのヒントが
オープンデスクスペースから扉を1枚隔てた外には、無料で利用できるカフェスペースが出現。血糖値をマネジメントするための間食アイテムなど、最後まで集中するための要素が詰まっている。
次々に新しいコミュニケーションツールが登場し、それぞれのオフィスにおける働き方も日々アップデートされていることだろう。しかしその一方で、「オフィスにいるとなかなか仕事がはかどらない」と感じているビジネスパーソンも少なからず存在するはずだ。そんな人のために、JINSが提示してくれた新たな働き方「Think Lab」。その空間には、深い集中を生み出すヒントが無数に転がっていた。普段働いているオフィスに取り入れられそうな要素を学ぶだけでも、同体験会は参加してみる価値があるだろう。
※価格は全て税別
※通常、施設内での撮影は原則禁止