――4月にスタートした『直撃!シンソウ坂上』(毎週木曜21:00~)ですが、先週(8月9日)の放送は逸見政孝さんを特集して番組最高視聴率9.5%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を獲得するなど、番組が徐々に支持を広げていますね。手応えはいかがですか?

スタッフさんとは、こういうことをやりたいと話していたテーマをやりつつ、チャレンジングなテーマも試してきた中で、西城秀樹さんが亡くなられた時はすぐに動いて、ほぼ撮って出しで放送するということもやって4カ月半が経ったんですけど、だいたいこの番組でできることは1回りできたのかなと思いますね。そうやって、試行錯誤しながら分かったのは、小細工はいらないということ。今回の日航機墜落事故で言えば、知りうる情報を自分の中に入れて、自分が感じたこと・聞きたいことを生み出して、それを相手に聞くという作業が、僕の唯一のお仕事だと思うんです。

――実際に直撃される方とのやり取りを大事にするということですか?

006のalt要素

『バイキング』(フジテレビ系、毎週月~金曜11:55~)

やはりインタビューは生ものなので、相手の方がどんな間合いで話すのかとか、この言葉を聞いたときに表情が変わったなとか見ながら質問したり、乗り始めたと思ったらそこを掘っていったりしますね。他の番組だと、自分のキャラクターを持って出ますが、この番組に関しては「受け」だと思ってるので、どうやって響く言葉を引き出すかというのを考えています。

――言葉を引き出すという部分で言えば、『バイキング』とも共通すると思うのですが、番組に臨む姿勢は違いますか?

どっちの番組も、スタッフさんが用意してくれた構成台本を読んで、「これは視聴者の方の知りたいことだな」と思いつつ、「でも僕が聞きたいことはこれだ」っていう“核”みたいなものを用意しておくんです。その比率が、『バイキング』だと6:4で僕の思いが強いんですけど、『シンソウ坂上』に関してはスタッフさんの意識が半分より大きいかな。やはり、相手の方が考えることがほぼ全てなので、僕から話したいという部分は抑えています。

ぬるいことはやりたくない

―――『バイキング』も視聴率が堅調に推移していますが、その要因をスタッフや関係者の方に伺うと、皆さん一様に「坂上さんの覚悟」だとおっしゃいます。坂上さんにとって、この2つの番組に臨むにあたっての“覚悟”とは何ですか?

『バイキング』は、お仕事としてやるんだったら、こんな毎日疲れることやりたくないし、自分のやりたいことを入れ込んでいかないと、生放送でやってもつまんないので、台本を与えられてもあんまり言うことを聞きません(笑)。ただその分、自分の聞きたいこと、言いたいことを言ってるから、責任はこっちに来るんだということを覚悟しています。『シンソウ坂上』は、いち視聴者としてどストライクのジャンルの番組なので、これに関して言えば、本当に労力を払いたい、ぬるいことはやりたくないという覚悟ですね。

――『シンソウ坂上』の今回の日航機墜落事故のドキュメンタリードラマは、財前直見さん、鶴見辰吾さん、富田靖子さん、谷花音さん、岡田浩暉さん、松井玲奈さんといった豪華キャストで、内容的にも、とても見応えがありました。

この番組のドラマ班は、頭がおかしい(笑)。それこそ僕、役者なんで、皆さんが本気でやってらっしゃるのが分かりますから、スタッフさんたちは本当に偉いと思いますよ。それを見ると、こっちも新たな覚悟をいただけるので、中途半端にやっちゃいけないなと毎回思いますね。今回も、ずしりとくる重さがあります。僕なんか美谷島さんとお話しさせていただいたので、余計に見方が変わりましたけど、力作なので、ぜひ見てください。

  • 007のalt要素
  • 008のalt要素
  • 009のalt要素
  • 010のalt要素
  • 011のalt要素
  • 『直撃!シンソウ坂上 2時間SP ~日航123便からのメッセージ・33年目の真相~』のドキュメンタリードラマより (C)フジテレビ