――ワインの注ぎ方や飲み方についても教えていただけますか。

柳原:ワインを注ぐときは、グラスのふくらんでいる部分の下の方くらいまで注ぐのが基本です。グラスのふくらんでいる部分はワインの香りを広げるための空間ですので、そこは空けておきましょう。

飲むときはグラスのステム(脚)を持つべきか、ボウル(膨らんでいる部分)を持つべきか迷う人もいると思いますが、これはどちらでもOKです。

  • 持ち方はどちらでもOK
  • シーンによって使い分けよう
  • どちらでもOKですが、シーンにあわせて使い分けましょう

ただ、立食パーティーのような場面ではステムを持つと腕をぶつけたりしたときにこぼしやすいので、安定するようボウルを持つことが多いかもしれませんね。逆にレストランなどで大きなグラスで飲むときはボウルは大きすぎて物理的に持ちにくいので、自然とステムを持つことになると思います。

――飲むときのポイントなどはありますか?

柳原:基本的には自由に飲んでいただいて大丈夫なのですが、そうですね……。飲む前にグラスを傾けてワインの「色」を眺めると、"通っぽい"印象を与えられると思いますよ。ワインを知っている人からも「おっ」と思われるかもしれません。でもやりすぎないように(笑)。

――その後の話でぼろが出てしまうかもしれませんもんね(笑)。本日はありがとうございました!


難しいと思われがちなワインですが、実際のところ、ワインを飲むのにそれほどハードルを上げる必要はありません。今回のお話にもあったように、気楽に楽しめるお酒ですし、それでいて奥の深い世界でもあります。

また、どんな趣味でもそうであるように、ワインとはどんなお酒なのか、どんなふうに楽しめばいいのかなど、基本的な知識を少し持っておくだけで、楽しみ方の幅が一気に広がります。難しいと思わずに興味を持って飛び込んでみると、そこにはすばらしい世界が広がっています。

まずは今回の柳原さんのお話をもとに、レストランや居酒屋、ワインショップなどで何か一本ワインを選んでみてはいかがでしょうか。

プロフィール:柳原 亮(やなぎはら りょう)

野菜と穀物(ライ麦パンが好き)、豆腐が主食の草食系。ヤギ乳製チーズをこよなく愛する、通称ヤギ原。年間3,000種類超のワインをテイスティングし、お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。(一社)日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ・NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル・第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝 SUNTORY WINE SQUAREにて、ワインを楽しむための情報やコラムを更新中。