マクロミルは7月17日、ニュースレター「HoNote通信」vol.135として、勤め先における働き方改革の取り組み状況や、現在の意識を調査した結果を発表した。調査は6月14日~15日、全国の20~59歳の会社員(民間企業に勤める、役職者を除く正社員)1,000人を対象にインターネットで行われた。
勤め先が「働き方改革に取り組んでいる」は37%
勤め先が「働き方改革」に取り組んでいるかを尋ねたところ、37.1%が「取り組んでいる」と回答。一方、「取り組んでいない」は5ポイント高い42.4%で、取り組んでいるかどうか「わからない」という人も21.5%いた。勤め先が、働き方改革に取り組んでいるとは回答できない人が62.9%という結果となった。
どのような働き方改革の取り組みが実施されているのか聞くと、「有給休暇取得の推進」(35.6%)、「長時間労働の見直し」(30.8%)、「育児や介護の支援」(25.1%)、「業務効率化の推進」(23.9%)、「フレックス勤務」(19.4%)が上位となった。
「長時間労働の見直し」に取り組む企業に勤める308人に、どのような変化があったのか尋ねると、回答が多かった順に「家族と過ごす時間が増えた」(24.0%)、「給与が下がった」(20.8%)、「休養が充分とれるようになった」(20.1%)、「趣味や習い事をする時間が増えた」(18.8%)、「業務時間中の集中力が高まった」(14.3%)という結果になった。「何も変わっていない」という人も33.1%いた。
働き方改革に取り組む企業に勤める371人のうち、会社全体の働き方が変化したと感じる人は約半数の47%に達し、変化を感じない人は15%だった。また、自分自身の働き方が変化したと感じる人は35%、変化を感じない人は26%という結果となった。
「高度プロフェッショナル制度」賛否は半々
働き方改革関連法の3本柱の1つ、「高度プロフェッショナル制度(以降、「高プロ制度」)」は、別名「ホワイトカラー・エグゼンプション」「残業代ゼロ法案」とも呼ばれ、年収1,075万円以上の一部専門職の方が労働時間に関する既存の保護から外され、残業代や深夜・休日労働の割増賃金が支払われなくなる制度。
高プロ制度について賛否を尋ねたところ、「賛成」(32.1%)、「反対」(29.7%)でほぼ同数。「わからない」という人も38%いた。
賛成の理由は、「労働時間によって給与が変わらないため、短いスパンで終わらせるにはどうしたらよいか、など仕事をする上でのモチベーションにつながる。また、割と自分に合わせた時間の使い方も出来るため私生活と仕事のバランスも良くなるのではないのかと思う」(27歳男性)、「過労死法案だというレッテルを貼られているが、対象業種が限られており、一般の人にはそう影響しない」(29歳男性)、「プロフェッショナルなら時間にとらわれないほうがいい。一般人は法に守ってもらわないと死ぬまで働かされるが、高いスキルがある人ならそういうこともないと思う」(32歳女性)、「時間に縛られると仕事にならないので」(34歳男性)、「そうしないと回らない職務もある。能力があって社会への貢献度が高い職域に関してはそうしないとやれないし、しないと日本の経済の衰退につながる」(36歳男性)など。
「反対」の理由としては、「管理職など位が上の立場にあるからこそ充実した生活を送ってほしい。そんな管理職や高収入な専門職を部下は見ることで憧れ、感化するのではと思います」(24歳男性)、「上に合わせるか下に合わせるかの問題である。仕事はその時々によって早く終わるものもあれば長期的に粘らなければならないものもあり、その進め方は人それぞれ。実質賃金そのものを上げた方がよい」(25歳女性)、「高プロにならない人も高プロ扱いをする会社が出てきそうだから」(30歳男性)、「過労死やギリギリの給料ギリギリの範囲で働かせる企業が必ず出てくるため。若者がこの雇用態勢になると将来が不安になるため」(41歳女性)、「なし崩しで残業代が支払われなくなりそうだから。名ばかり管理職のように、残業代を払いたくないだけで、従業員は弱いから何も言えないのをいいことに使い捨てにするのではないか」(44歳男性)などがあがった。