JR九州は14日、久大本線の全線運転再開を記念し、特急「ゆふいんの森1号」の停車駅で沿線自治体の協力による出迎え・見送りイベントを実施した。日田駅では沿線住民やこどもたちなど約1,000人がホームに集まり、「ゆふいんの森1号」を歓迎した。

  • 特急「ゆふいんの森1号」が日田駅を発車。久大本線の全線運転再開に合わせ、特急「ゆふいんの森」「ゆふ」も通常ルートでの運行に

久大本線は昨年7月の九州北部豪雨の影響で、光岡~日田間が約1年にわたり運転見合わせとなっていたが、同区間の復旧にともない7月14日始発から全線で運転再開。特急「ゆふいんの森」「ゆふ」も博多~由布院・大分・別府間(久大本線経由)の運行に戻った。「ゆふいんの森」は久大本線の象徴的列車でもあることから、全線運転再開後の初列車となる下り「ゆふいんの森1号」(博多駅9時24分発・由布院駅11時36分着)に合わせ、博多駅での出発式をはじめ、各停車駅でイベントが開催されることになった。

日田駅のイベントでは、日田市長の原田啓介氏、大分県知事の広瀬勝貞氏、衆議院議員の衛藤征士郎氏らが出席。原田市長は久大本線の全線運転再開にあたり、「本来なら(運転再開まで)3年かかるといわれていたのに、関係者の皆様の尽力もあり、わずか1年でこの日を迎えられたことを感謝申し上げたい。復興に向け、全力で立ち上がっていきたいと思います」と述べた。

  • 日田駅では沿線住民やこどもたちが「ゆふいんの森1号」を出迎えた。列車の車体側面には「久大本線 ぜんぶつながるプロジェクト」ロゴのラッピングも

  • 久大本線の全線運転再開を記念したイベントを日田駅2・3番線ホームで開催。日田祇園囃子の演奏も

広瀬知事も「待ちに待った久大本線の復旧。本当にうれしい限り。約1年間不通となったことで、久大本線のありがたみがよくわかりました。通勤・通学などの生活路線として大変重要であり、地域経済の動脈としても役割を果たしています。内外の観光客にとっても重要な路線です。ようやく完成ということで、これまで以上に久大本線を活用し、沿線地域をさらに盛り上げていきたい」と挨拶した。イベントでは全線運転再開を記念した日田駅長への花束贈呈も行われ、「全線復旧の日を新たな出発点ととらえ、今後も地域の皆様と一体となり、地域の発展に尽くしていきたい」と述べた。

その後、日田祇園囃子の演奏が行われる中、「ゆふいんの森1号」が2番線ホームに到着。向かい側の1番線ホームも多くの人で埋め尽くされ、日田駅に集まった人数は約1,000人に及んだという。「ゆふいんの森1号」は約1分間停車した後、日田駅を発車して由布院方面へ。沿線住民やこどもたちがホームから手を振って見送り、車内の乗客やクルーがそれに応え、手を振り返す場面も見られた。日田駅で降車した利用者へ、日田市キャンペーンレディから特産品のプレゼントもあった。

  • 特急「ゆふ」も通常ルートでの運行に。ヘッドマークを掲げたキハ125形(2両編成)は久留米~日田間(一部列車は久留米~筑後吉井間)で運行されている

この日は沿線自治体6カ所(久留米市・うきは市・日田市・玖珠町・九重町・由布市)で「ふうせんリリースプロジェクト」も実施。「ゆふいんの森1号」の通過に合わせ、各会場で久大本線沿線への「想い」(メッセージ)を印字した風船が空を舞ったという。