JR東日本水戸支社は10日、かねてより要望のあった常磐線佐貫(さぬき)駅の駅名改称について、龍ケ崎市との協議を経て「龍ケ崎市(りゅうがさきし)駅」に決定したと発表した。2020年春の駅名改称を予定している。

  • 写真は常磐線を走るE531系

龍ケ崎市の人口は2011年度以降から減少に転じ、現在のところ微減であるため「消滅可能性都市」には該当しないが、人口減少の潮流は明らかとなっている。このままでは、将来的に人口は5万人台になると予測され、税収の減少などから行政サービスを提供するための地域経営の基盤維持が危ぶまれるところだという。

この流れを変え、持続可能な地域経営とするために、人口の流出を抑制することはもとより、市外から人を呼び込み、流入人口の増加をめざす定住促進などに取り組む必要があると龍ケ崎市考えている。具体的には、同市の玄関口である常磐線佐貫駅周辺地域を活性化させ、その効果を市内全体に波及させていくことが有効としている。

今回の駅名改称も、そのための政策のひとつ。龍ケ崎市では、2018年度から佐貫駅周辺地域整備基本構想の策定や牛久沼を生かした道の駅の整備、(仮称)駅前こども送迎ステーションの設置、佐貫駅前ロータリーの改修、佐貫駅周辺道路の整備、そして常磐線佐貫駅の改称を政策パッケージとして、地方創生に照応した取組みを始めている。

その中でも駅名改称は、魅力的な施策を展開しても龍ケ崎市の認知度が低いため、市外在住者からの関心を引くことが困難な状況を改善するための重要な手段としている。これらの背景・目的を踏まえ、龍ケ崎市はJR東日本水戸支社へ駅名改称を要請。このほど「龍ケ崎市駅」への駅名改称が決定した。