前回は、夫婦共働き子供なしDINKSのお金の管理方法について4つのパターンに分けて解説しました。ボーナスの出るこの時期は自由になるお金が多い分、貯め方次第で貯蓄額にダイレクトに反映される時期とも言えます。

ですから、夫婦でよく話し合いをしながらその家庭のベストな管理方法と貯蓄方法で貯めていきましょう。

夫婦の家事分担

夫婦共働き家庭でお金の次に問題になりがちなのが、家事分担ではないかと思います。国立社会保障・人口問題研究所が公表した全国家庭動向調査(2013年)調査報告書の「妻の従業上の地位別にみた妻の家事分担割合の分布」によると、「常勤」の場合は、妻の分担割合は相対的に少ない傾向にあります。

一方で100%が13.7%、90~99%が30%、80~89%も21.0%と合計64.7%もの妻が「常勤」であっても8割以上の家事を担っていることがわかります。

同調査の、「夫の帰宅時間別にみた妻の家事分担割合の分布」では、夫の帰宅時間が遅いほど、妻の家事分担割合が増える傾向にあります。

この結果から考えられる家計費負担と家事分担の理想は、同比率が望ましいと考えることもできます。

その理由は、夫が遅くまで働けるのは、妻のサポートがあるからこそと考えられるからです。もちろん、割合が逆転することもあるでしょう。「家事はタダのようなもの…」「妻がやって当たり前」「母は当たり前のように家事をやってた」といった言葉は家事を免除される理由にはなりません。もし、妻もしくは夫が専業主婦(夫)であれば、100:0でもいいでしょう。しかし、お互いに働き家計を支えているのであれば、それなりに家事を負担し合うのは当然のことです。 

家事代行や分担アプリを活用する

お互い忙しくて家事まで手が回らない、ケンカや言い合いになって険悪な雰囲気になるのであればお金を出して家事代行をお願いすれば良いことです。

家事代行の相場は1時間あたり2,000円前後です。例えば、1日2時間家事代行をお願いして、1カ月あたり24日間利用した場合、単純計算で9万6,000円になります。家事代行だけでは細かい部分までは行き届かない可能性がありますので、細かい家事をする必要はありますが、料理や掃除といった家事負担は減るでしょう。

家事代行なんてもったいない。と思うのであれば、夫婦で分担を決めましょう。家事分担アプリもありますので、活用してみてはいかがでしょうか。

例えば「Yieto」は、日々の細かい家事分担をリスト化し、どちらがやるのかをお互いに話し合いながら決めていくアプリです。実際に家事をやっていない人でないとわからないような細かい家事もあり、お互いが気付いて動くきっかけにもなりそうです。

早いうちにお金と家事分担を話し合おう

また、妻は夫の母親ではないことにも注意が必要です。つまり、夫は妻の父親でないと同じくらい当たり前のことです。例えるなら、「母は当たり前のように家事をやってた」は、妻が「私の父はもっと稼いでいた…」と言うのと同じくらいの不快感もしくはダメージでしょうか。

同様に「○○さんのところのご主人や奥さんが…」と他所を引きあいに出すのも揉める原因になりかねませんので言わない方が得策です。

夫婦共働き子供なしのDINKSは、お金を貯める最高のタイミングであり、家事分担を考える良いタイミングでもあるのです。「私さえ我慢すれば…」と無理をすると、その後の出産、育児といった今後の育児分担にも影響が出る可能性が十二分にあります。

早いうちにその家庭のお金と家事分担を話し合うことで、お互いが納得した形で家事に取り組めるはずです。そしてお互いが、それぞれの家事や育児の分担を当たり前だと思わず、感謝と思いやりの気持ちを忘れないことも大切です。

丸山晴美(まるやま はるみ)

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外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している