俳優の西島秀俊主演の映画『空母いぶき』(2019年公開)の場面写真が2日、公開された。

  • 『空母いぶき』西島秀俊

    『空母いぶき』西島秀俊

同作は第63回小学館漫画賞一般向け部門を受賞した、漫画家・かわぐちかいじによるベストセラーコミックを実写化。世界が再び「空母の時代」へと突入した20XX年を舞台に、日本の領土である波留間群島の一部が占領された中、戦後初の航空機搭載護衛艦「いぶき」を中心とする護衛群艦隊を現場に向かわせる。映画版では、これらの出来事が“24時間の物語”として構築される。

今回公開されたのは、CICと呼ばれる「いぶき」の戦闘指揮所での場面写真。タッチパネル式の大型ディスプレイが鎮座し、それを取り囲むようにして海上のレーダーを映し出すモニターがずらりと並んでいる。「いぶき」は最新のシステムを搭載した護衛艦という設定だけに、青いバックライトを基調とした照明が近未来的なムードを醸し出す。

CIC内では中央のタッチパネル式ディスプレイを囲んで、秋津(西島)と新波(佐々木蔵之介)が対峙する。秋津は航空自衛隊の出身でありながらその能力を買われて「いぶき」の初代艦長に抜擢されたという異色の経歴の持ち主。一方の新波は生え抜きの海上自衛隊所属であるが、ここでは秋津に艦長の座を譲っているという状況であり、さらにこの2人は防衛大学校時代の同期でもある。平和のためには武力の行使も辞さないというスタンスの秋津と、あくまで防衛に徹することを信念とする新波が、骨太な人間ドラマを紡ぐ。

西島秀俊 現場コメント

秋津は常人にははかり知れない部分を持った人物なので、1つのことが起きたときの周りとのリアクションの違いというものが、かなり大きく出ていると思います。ただ、誰にも見えていない未来を予測して、その瞬間ごとに次の行動を決めていくという役は、演じていて思った以上に自由で楽しくて。そんな秋津に対して、新波を演じる蔵之介さんが人間の気持ちの根っこにあるものを一手に引き受けてくださっているからこそ、僕も安心して羽ばたくことができる。そんな2人の人間ドラマを通して、あらためて戦争のない未来を考えるきっかけになるような作品になったら素晴らしいと思います。

佐々木蔵之介 現場コメント

何よりも【命】というものを念頭に置いて演じています。人命救助を第一に考えれば、今の秋津と新波にとって艦長と副長という立場の違いはあまり問題ではないと思うんです。防大でお互いに切磋琢磨しながら高め合った過去があってこそ現在の2人がいるわけですし、命を助けたいという思いは同じであるはずなので。西島君は常に先を見ていて物事に動じないところが秋津らしいと思いますね。秋津はあまり言葉を発しない分、新波とともにその目を見ながらいろいろ想像する楽しみがある。各人の言動に思いを馳せながら、観終わって映画館の外に出たとき、平和であることの意味を感じてもらえたらいいなと思っています。