ジョウズ・ジャパンは6月20日、都内で記者会見を開き、フィリップモリスジャパンの加熱式タバコ「iQOS」のヒートスティックを使用する加熱式タバコの新ブランド「jouz」を、7月20日に日本で発売すると発表した。

  • 加熱式タバコの新ブランド「jouz」の発表会が都内で開催された

    加熱式タバコの新ブランド「jouz」の発表会が都内で開催された

加熱式タバコへの置き換えが進む日本

世界の喫煙人口は約11億人で、1年の消費量は約6兆本と言われている。依然としてタバコ市場は大きいものの、健康意識の向上や副流煙の害などもあって近年は縮小傾向にある。そうした中、火を使わずにおいが少ないとされる加熱式タバコが拡大しており、各メーカーも紙巻きタバコからの置き換えを狙って注力している。

日本ではiQOSや日本たばこ産業(JT)の「プルーム・テック」、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンの「glo」という3つの加熱式タバコが市場を拡大。従来の紙巻きタバコ市場は減少しているが、3社の加熱式タバコへの置き換えが進んでおり、特にシェアトップのiQOSは500万ユーザーを突破している。

  • ジョウズ・ジャパンの井戸義経代表取締役

    ジョウズ・ジャパンの井戸義経代表取締役

そうした中、jouzは新たなタバコのたしなみ方を提案するため、2018年2月に中国・深センで立ち上がった。同社の井戸義経代表取締役は、国内の2017年における加熱式タバコの市場シェアはタバコ市場全体の17%を占め、2025年には50%に達するとの予測を示し、「中長期的に見て加熱式タバコの成長は確実視されている」と強調する。

jouzは最大で連続20本吸える

その一方で、iQOS本体に関しては「連続でタバコを吸うことができない」といった不満点が挙げられているとし、その悩みを解消するデバイスとしてjouzを提供すると話す。

  • 日本での加熱式タバコの市場予測

    日本での加熱式タバコの市場予測

  • 加熱式タバコへの不満点

    加熱式タバコへの不満点

jouzは最大で連続20本吸え、モバイルバッテリーなどで定評のあるAnkerと協力関係にある。Ankerとの「直接の資本関係はない」(井戸氏)そうだが、子会社経由での出資はあるとのこと。そのため、Ankerからの技術的サポートも受けて開発された製品で、品質基準にも自信を持っているという。

Ankerが得意とするバッテリー技術で連続喫煙を可能にし、緻密な電源管理で吸い始めから吸い終わりまで±1度の範囲で温度をキープする温度管理を実現。独自の内部構造で空気の流れを作り、iQOSとは異なるjouzならではの味や香りを目指したとしている。

製品は、1回の充電で最大20本を連続喫煙できる「jouz 20」と、12本の「jouz 12」をラインナップし、いずれも7月20日発売となる。jouz 20は6月20日から同社オンラインサイトやアマゾンで予約が開始され、さらに発売日からは楽天市場でも購入可能となる。価格はjouz 20が税込6,980円、jouz 12が税込6,680円。

  • バッテリー容量の異なる2製品を用意

    バッテリー容量の異なる2製品を用意

  • パッケージ内容

    パッケージ内容

iQOSはフィリップモリスが開発した製品であり、ヒートスティックをそのまま使う互換品は、他にもいくつも出ている。ただ、そうした互換品の存在に関し、フィリップモリスがどのように判断するかは未知数。ジョウズ側もそうした状況は把握しており、フィリップモリス側からのアクションがあれば対応するとしている。

それでも井戸氏は、Anker基準のバッテリーの安全性や使い勝手によってiQOSユーザーの拡大に寄与する点を強調し、「iQOSと競合する製品ではない」としている。

jouzを実際に使用してみた

当日は、実際にjouzに触れる機会も設けられていた。デザインはiQOSに近いストレート型で、転がりにくく持ちやすい。大きめのボタンを2秒間押して20秒待つと内部温度が300度まで上昇し、差し込んだヒートスティックを内側から熱して、水蒸気を吸いこめる。

  • jouz 20は手のひらに収まるサイズ。jouz 12はさらにコンパクトになる

    jouz 20は手のひらに収まるサイズ。jouz 12はさらにコンパクトになる

3つのLEDが順番に点灯するとともに、軽いバイブで吸い始めがわかるようになっており、5分30秒で吸い終わりの合図としてバイブが振動するという仕組みだ。もう一度2秒間押すと、再び温度が上昇して20秒後には吸うことが可能となっている。

iQOSの場合、1本吸うとケースに本体を収納して充電しなければならないため、使いやすさはjouzの方が優れていると感じる。充電はマイクロUSB経由だが、本体下部の端子に直接接続する形で充電用のケースは不要となっており、持ち運びも容易だ。

  • 実際に使用してみてわかったことは……

    jouzを実際に使用してみた

また、喫煙してヒートスティックを捨てた後にボタンを6秒間押すと、内部が400度に上昇して内部に残ったタバコの葉を焼き切る簡易的な清掃機能を備えたり、ヒートスティック交換時の開閉機構にマグネットを用いたりするなど、使いやすさを向上させる工夫も盛り込まれていると感じた。

  • jouz 20は7月19日までにAmazon.co.jpとJouz公式サイトで先行予約すれば、税込5980円で購入できるキャンペーンも実施する

    jouz 20を7月19日までにAmazon.co.jpとJouz公式サイトで先行予約すれば、税込5980円で購入できるキャンペーンも実施する