5月某日、人事担当者向けのセミナーが開催されました。

セミナーは、リクナビNEXTやDODA、@ typeなど大手転職サイトの編集長による「Battle Talk LIVE!」。刺激的なタイトルで、平日夜にも関わらず100名以上の人事担当者が参加。

開始早々、3名の編集長と副編集長によるぶっちゃけトークが炸裂し、転職市場の現状から、今後の採用はこう変わる! など、言いたい放題!! 前編に続き、後編でも過激なトークが展開します。

  • HRog編集長の菊池さん

会社で取り組む採用活動

ここで司会の菊池さんより、「求人広告の原稿はどうなるか?」 と新たなテーマが提示。 これは編集長の本領発揮分野!! 新たなバトルの匂いがプンプンしますよーー。

藤井さん:労働人口の減少により、人材の争奪が激化することは予見されています。2025年には2015年より557万人の就業者が減少する(※)ので量的にも質的にも、次世代リーダーが足りません。これは企業の人事担当向けアンケートでも、トップの人事課題は次世代リーダーが足りないと回答しています。


※リクルートワークス研究所発表ワークスレポートより

えっ? たった10年で557万人の減少! 日本は大丈夫か? と心配していたら……今の人材と未来の変革者をどうするか? という採用課題に対して藤井さんが再度ぶっこみます。

藤井さん:必要なのは経営層も含めて採用活動に全精力を注力すること、いうなれば気が狂ったかのような採用活動(笑)が解決策ですね。


放送禁止スレスレの言葉キター。もうね、記事にするしかないけどね。

「気が●●●ってどんな採用活動?」とザワつく聴衆に対して、藤井さんはリクルートワークス研究所が提唱する「戦略的採用のホイール・モデル」を使って解説します。

  • 出典:リクルートワークス研究所「戦略的採用論」

藤井さん:今までの採用では、「採用の前提」である(給与や勤務地などの)各種要件は決まっていて、人事担当者は2番目の「採用プロセス」フェーズで試行錯誤して採用活動を行っていました。しかし、今は、タレント人材を採るには本社を都心に移動させ、働く人を中心に考えたり、給与を年俸制にして海外企業と対等な水準にしたりする企業があります。つまり「採用プロセス」の前後へとフェーズを広げて、採用進化を加速させているのです。


  • リクナビNEXT編集長の藤井さん

藤井さん:これからは、採用を人事・採用担当にだけ任せるのでなく、経営層、現場のリーダー社員が採用戦略・採用活動に全員参加しないと、本当に欲しい人材にはメッセージが響きません。今こそ、求人広告の原稿表現の根底にある、経営視線を変えていく機会ではないでしょうか。


採用が難しいのであれば、採用の担当者レベルから経営レベルで柔軟な対応が必要ということか~。でも実施は難しいんじゃないのかな?? 参加されてる方も、戸惑ってる気がしますよー。

採用のマルチパターン化

求人広告の表現に留まらない藤井さんの話を受けて、前田さんが質問。

前田さん:気が●●●採用が必要なのは良く判ります。しかし、全ての人事担当者ができることでなく、全ての人材に対して行えることでもないと思います。そうした場合、現実的な対処方法はあるのでしょうか。


前田さんが代弁してくれた! いいぞ!!

藤井さん:1000人採用する企業で、経営トップが全員に会う機会を作るのは無理ですよね。ですので、採用のマルチパターン化(下図参照)と我々は言ってますが、少数精鋭のタレント人材が企業の競争力や優位性を短期間(例えば2年以内)で産み出す領域では、経営層が積極的に関与する必要があります。先日、移籍発表されたJリーグヴィッセル神戸のイニエスタ選手はそうですね(笑)。


  • 出典:リクルートワークス研究所「戦略的採用論」

藤井さん:一方で、大人数の組織力が企業の成果の源泉である領域、例えば、紹介した携帯ショップの店長などの大量採用のパターンは、そこまでの関与は難しいでしょう。その場合は、現場社員をうまくエンゲージメントして、イキイキと働いてもらい、リファラル採用に参加してもらうなど、領域によって経営参加と現場参加のバランスが必要ですね。


なるほど、対象とする人材によって、採用のパワーや時間の配分を変えるということか! 前田さんも人事担当だけが関わる採用でなく、現場が関わることが大事だし、求人原稿も会社の顔が見える原稿にするべきだろうと、藤井さんと同じ視点での見解を述べました。

  • ぶっちゃけトークで会場は常に大賑わい