りんかい線を運行する東京臨海高速鉄道の経営改革プランが同社サイトにて公開された。この中で、さらなる利便性・快適性向上につながる取組みとして、2022年度の新車両導入をめざすことも明らかにされた。

  • りんかい線の車両70-000形。JR埼京線と相互直通運転を行う

同社の路線は1996(平成8)年3月に第1期区間の新木場~東京テレポート間が開業。2000年から路線愛称名「りんかい線」を使用開始し、2002年12月の全線開業に合わせ、JR埼京線との相互直通運転を開始した。JR埼京線の車両は相互直通運転開始当初の205系からE233系に置き換えられる一方、りんかい線は現在も70-000形を使用している。

経営改革プランでは、自己分析にもとづき経営課題を示し、課題解決の戦略として「安定的な事業運営の実現に向けた組織・人員体制の構築」「ハード・ソフト両面からの安全・安定輸送の確保」「利用客の利便性・快適性の更なる向上に繋がる取組の加速化」などを挙げた。開業後20年以上が経過し、施設・設備の老朽化が進む中、「お客様から愛されるりんかい線の実現に向け、東京2020大会を契機として、バリアフリー対策やインバウンド対応、新車両導入等により当社線の利便性・快適性を着実に高めていく」とした。

りんかい線の新車両導入に関して、2018年度は「新車両の導入に向けた事業計画を策定」、2019年度は「新車両の仕様検討及び設備関係の設計に着手」、2020年度は「新車両の設備関係の設計を継続」とした上で、「乗り心地の改善と快適性の向上を図るため、2022年度の新車両導入を目指し、計画的に進める」とのことだった。他にも利便性・快適性向上のため、東京テレポート駅・国際展示場駅のエレベーター増設と有人改札の窓口拡張、全駅を対象とした化粧室のリニューアル(洋式化、パウダーコーナーの設置など)と照明のLED化、わかりやすい案内サインの整備などに取り組む。

ホームドア整備によるホーム上の安全対策も推進する。2018年度は国際展示場駅、2019年度は大井町駅にホームドアを設置し、これら2駅の運用状況や技術開発の状況を見た上で他駅への整備を進める予定。「JRと相互直通運転を行っているため、異なる車両に対応したドアの設置に向けて慎重に整備を進める」とも説明している。

なお、東京オリンピック・パラリンピック開催にともなう東京ビッグサイトの展示面積減少などにより、りんかい線では2019・2020年度に乗車人員の減少が見込まれ、営業収益の落込みも避けられない状況だという。「大会終了後の営業収益の水準が大会開催前の水準を上回るよう、この3年間で関連事業の拡充や沿線地域等との連携強化に向けた仕組みづくりを目指す」としている。