北越急行は5月29日付で、国土交通省北陸信越運輸局に対し、ほくほく線の鉄道旅客運賃の変更認可申請を行ったと発表した。申請通り認可されれば、普通旅客運賃と定期旅客運賃の通勤定期が12月1日から10%値上げとなる。

  • 北越急行がほくほく線の鉄道旅客運賃の変更認可申請を行った

これにより、普通運賃は初乗り運賃が150円から170円になるなど、営業キロ数に応じて20~110円の値上げとなる。

値上げの理由について、同社は「将来に向けて厳しい経営状況」であるためと説明している。ほくほく線は2015年3月の北陸新幹線長野~金沢開業にともない、収益の大半を上げていた特急列車が廃止となり、普通列車などを基本とする運行形態に転換した。

同社は2014年度に策定した「北陸新幹線開業後の経営計画」にもとづき、特急廃止による過剰設備のスリム化や人員の削減を実施するなど、経費削減に取り組んできたという。一方、超快速列車の増発やえちごトキめき鉄道への乗入れ、列車待ち合わせ時間の短縮等による速達性・利便性向上やイベント列車運行など、増収策にも取り組んできた。

ただし、経営計画には当初から「旅客運賃の改定により永続的な鉄道の存続を図る」との方針が織り込まれており、経費削減と増収策に取り組んでもなお、厳しい経営状況であることに変わりがないことから、旅客運賃の改定に踏み切ることを決めたという。