5月22日、東京タワーのほど近くに位置する増上寺にて、「マクラーレン・セナ」のジャパンプレミアが行われた。
受け継いだのは、セナの“チャレンジし続けるDNA”
マクラーレンの市販モデルには、「Sport」「Super」「Ultimate」という3つのカテゴライズが設けられており、同車両は「Ultimate」カテゴリーのニューモデルとなる。伝説のF1ドライバー、アイルトン・セナの名を冠した究極のサーキット仕様モデルでありながら、公道での走行も可能とのことで、まさに“究極のサーキット指向型ロードカー”であると言える。
同社にとってアイルトン・セナは、モータースポーツの栄光の歴史をともに築いてきたパートナーであり、いつまでもチャレンジし続ける同氏のDNAがこの1台には受け継がれている。マシンは1台ごとにスペシャリストたちの手作業により生産され、製造には約300時間を要するという。
ドライバーとマシンとの間に純粋な絆を生み出すことを目指したという同車両は、“フォルムは機能に従う(Form follows function)”というマクラーレンのデザイン哲学を如実に表現するアピアランスを持っている。また、重量削減に関しての徹底ぶりも並ではなく、「マクラーレン F1」以降では最軽量となる1,198kgの乾燥重量をマークした。
同車両の心臓部、4.0リッターV8ツインターボエンジンは、最高出力800PS、最大トルク800Nmを誇る。0-100km/h加速に要する時間はわずか2.8秒で、最高速度は340km/hと公表している。
無駄を排した機能的なコックピットには、超軽量のカーボンファイバー製レーシングシートを採用。カーボンファイバーがむき出しになっている箇所もあり、インテリアにもこのマシンの開発意図がしっかりと感じられる仕上がりになっている。
22日に行われたジャパンプレミアには、過去に「720S」や「P1」など歴代モデルの開発にも携わってきたマクラーレン・オートモーティブ・チーフエンジニアのダン・パリー・ウィリアムズ氏らが登壇し、車両に関するプレゼンテーションを行った。
同車両は500台の限定生産となり、日本向けの税込価格は67万5,000ポンド。日本円に換算すると約1億円という金額ながら、2018年3月のスイス・ジュネーブにおける世界初公開の時点で、すでに完売が公表されている。オーナーにはなれないまでも、一度でいいから走っている場面に遭遇したいと感じさせる、まさに究極と呼ぶにふさわしい1台である。