5月19日に公開初日を迎えた映画『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』の舞台あいさつが東京・丸の内TOEIにて行なわれ、石田秀範監督と主演の藤田富、谷口賢志をはじめとする主要キャスト陣が登壇した。

  • 上段左から、田邉和也、俊藤光利、宮原華音、国府田聖那、勝也、石田秀範監督、下段左から、姜暢雄、谷口賢志、藤田富、神尾佑

本作は、Amazonプライム・ビデオのオリジナルドラマシリーズとして製作・配信された『仮面ライダーアマゾンズ Season1』(2016年/全13話)、『仮面ライダーアマゾンズ Season2』(2017年/全13話)の好評を受けて作られた、シリーズ初の劇場版。

タンパク質を求めて人間の肉を食らう危険な人工生物「アマゾン」が大量に潜伏する世界で、立場や主張の異なる2人の仮面ライダー(アマゾンオメガ、アマゾンアルファ)が対立しながら、凶暴なアマゾンとの激しい戦いに身を投じていく。

1974(昭和49)年に放送された仮面ライダーシリーズ『仮面ライダーアマゾン』をベースに、「野獣のような戦闘スタイルを持つ異形の仮面ライダー」というコンセプトを現代風に発展させた本作は、特撮ヒーロー作品という枠組みをはみ出すかのような陰惨なストーリー展開や、目をそむけたくなるようなバイオレンス描写を含みつつ、アマゾンの襲撃に対抗する人間たちそれぞれのキャラクターを魅力的に描き、深みのあるドラマを生み出している。

配信ドラマの段階から、劇場映画として大きなスクリーンで『アマゾンズ』の物語を届けたいという強い意志を持って、極めて高いクオリティで作品を作り続けてきたスタッフ、キャストの思いは、ついに完全新作の「劇場版」という形で結実した。

自分の心のおもむくまま、人間でもアマゾンでも守るべき者は守ると宣言する仮面ライダーアマゾンオメガ/水澤悠を演じる藤田富は「映画を撮っているときは、早く公開してほしいな、って思っていたんですけれど、いざ公開日を迎えると、もうこれで終わってしまうんだなっていう気持ちになりまして……。でも、みなさんの心にあり続けることが、アマゾンズが生き続けることなんだなと思っています」と、まさに感無量という面持ちで現在の心境を語った。

自分自身を含むすべてアマゾンを"狩る"ため凄惨な戦いを続ける仮面ライダーアマゾンアルファ/鷹山仁を演じる谷口賢志は「今日ちょっと遅刻しまして、いま死ぬほど大人に怒られたので、優しい目で見てください」と、いきなり衝撃的な告白で周囲を苦笑させた。公開初日を迎えた感想を問われると、「映画にたどり着くまでが『夢』だと思ってやってきましたが、(上映して)みなさんに楽しんでもらうまでが『夢』だったんです」と、念願の映画が観客に届けられたことへの喜びをあらわにした。また「みなさん、映画の感想はいかがですか? 涙で前が見えていない状況なのかな?と思ったら、けっこう笑顔で拍手して俺たちを迎えてくださって……どうなの? 泣いたでしょ?」と、観客に映画で感動したかどうかの確認を行うと、いっそう盛大な拍手となって反応が返ってきた。このリアクションを受けた谷口は「ですよね~!」と大いに満足する様子を見せた。

人間社会に潜伏したアマゾンを殲滅するべく集められた"駆除班"のリーダーで、ぶっきらぼうな態度とは反対に、誰よりも仲間を思う心が強い志藤真を演じる俊藤光利は「僕たち駆除班は、人間の立場でアマゾンに向き合ってきたキャラクター。Season1、Season2、そして今回の映画と、アマゾンと戦ってきたことで志藤たちの心境がだんだん変化していきました。人間ではなくアマゾンのほうに"何か"を教えられた思いがあります。もっと人間はちゃんとしなければいけないんじゃないか、とか……」と、アマゾンとの死闘を繰り広げた駆除班メンバーそれぞれに精神的変化があったことを伝え、『アマゾンズ』の人間ドラマ部分を大きく担った駆除班の重要性を説いた。

駆除班のメンバーで、孤独を愛する寡黙なスナイパー・フクこと福田耕太を演じる田邉和也は「映画のラストシーンで、駆除班があのあとどうなったのか、みなさんのご想像にお任せしたいんですけれど……。監督からの演出は『ポジティブな方向で』と言われました。次に向かってそれぞれのキャラクターが自分の道を決めていく中で、僕ら駆除班も人として次のステップに進んでいく、という『光』のようなシーンでしたね」と、戦いが終わった後のメンバーの「未来」についての思いをめぐらせた。

当初は報酬のために黙々とアマゾンを「駆除」していた駆除班だったが、凶暴なだけではないアマゾンとの関わりを深めるにつれ、単純に駆除するだけでは済まなくなってしまうドラマ展開に我々視聴者はうならされ、時に深い感動を与えられた。俊藤はこのことについて「映画のラストでは、駆除班の"駆除"っていう部分が取れた感じ。駆除っていう言葉に引っかかるようになったかなと思いました」と、シリーズ完結編らしくしみじみとした余韻を残す、駆除班メンバー4人の姿を捉えるラストカットへの思いを語った。

駆除班の紅一点で、抜群の身体能力を駆使してアマゾンに挑む高井望を演じる宮原華音は、「Season1からアクションを思いっきりやらせてもらったんですけれど、最初のころは自分VSアマゾンをとにかく考えていました。今回の映画ではチームでの戦闘という部分を意識して、周りを気にしながらのアクションを心がけました」と、映画では志藤、三崎、高井の3人によるチームアクションにも力を入れていたことを明かした。

常に陽気さを失わない駆除班のムードメーカー的存在・三崎一也を演じる勝也は、宮原から「アクションシーンでは、勝也さんの天然ぶりが発揮されました」と言われたのを受けて「また、やらかしました(笑)。マコさん(志藤)が放ったワイヤーが僕の腕(義手という設定)にガン!と刺さるんですけれど、石田監督から『ここ、刺されたときリアクションな』と言われて、えっ、僕ビリビリしびれちゃうんですか!?って返したら、マコさんから『しびれるわけねえだろーっ!』って怒られた」と、緊張感あふれる戦闘シーンでのリアクションの取り方をめぐるやりとりがあったことを苦笑しながら話していた。

Season1では「アマゾン」発生の原因を作った製薬会社の国際営業本部長、Season2および本作ではアマゾン殲滅部隊「4C」の局長を務める橘雄悟を演じる神尾佑は、「やっとイベントに呼んでいただきました!」と、『アマゾンズ』関連の舞台あいさつに初めて顔を出すことができた喜びをあらわにした。一方で「WEBのニューストピックとかで、アマゾンズ劇場版のイベントの情報が出てくるんですよ。それを見るたびに『こんなのやってるんだ!? ぜんぜん呼ばれないし……』と思いました。僕が来るとめんどくさいと思ってるんですかね?」と、これまでイベントに呼ばれなかったことに対する、複雑な思いを明かしていた。映画での橘の「名場面」として、銃で足を撃たれて慌てふためく演技を挙げられた神尾は、「黒崎と札森の間を行ったり来たりしているだけですから、迫真の演技とか言わないでください」と微妙な面持ち。このシーンについて「石田監督の指示はどのように?」と尋ねられた神尾は、「石田監督とは『仮面ライダーオーズ/000』(2010年)のころからの付き合いなんですけれど、基本的に"丸投げ"なんですね。何かやっておいてくれって。僕も台本を読んで、ここは何かやらなきゃいけないだろうなと思って(笑)」と、シナリオに細かく書かれていない部分については独自の考えによって演技を膨らませていたことを説明した。

養護施設「切子聖園」の園長を務め、仮面ライダーアマゾンネオアルファに変身する御堂英之助を演じる姜暢雄は、かつて『忍風戦隊ハリケンジャー』(2002年)で電光石火ゴウライジャーのクワガライジャー/霞一鍬役としてヒーローを演じた経験があり、『救急戦隊ゴーゴーファイブ』(1999年)でゴーブルー/巽ナガレを演じた谷口とは、スーパー戦隊シリーズにおける先輩、後輩の間柄となる。「尊敬する先輩と一緒に芝居できたことはとても嬉しかった」と谷口との共演を喜んだ姜は映画での役柄について、「アマゾンを守りたい悠、アマゾンを問答無用ですべて狩りたい仁。この2人とは違う方向からアマゾンという存在を見ているのが御堂」だと説明。そして、悠、仁の両方を苦しめる「悪役」という自身のポジションについて「ああいうことはしないほうがいいですね」と、残虐そのものの役どころを苦笑まじりにふりかえった。さらには「石田監督が怖かったので、ブルブルふるえていました。それが冷酷な態度に見えていたのかな」と、冷酷な御堂の役作りについての秘密を明かした。

切子聖園で集団生活をしている子どもたちの1人で、悠と関わることによって自身の「運命」に疑念を抱くようになる少女・ムクを演じる国府田聖那は、「悠はムクに生きる希望を与えてくれた存在。○○○○ちゃってもムクにとっては幸せだったんじゃないでしょうか(※ネタバレを含むため伏字)」と、劇中でのショッキングな場面について言及した。

Season1、Season2でも第1、2話ほか主要なエピソードを演出した石田秀範監督は、まさに悲願というべき映画版『アマゾンズ』が公開日を迎えたことに「ついに、この日が来まして感無量です。みなさんのおかげでアマゾンズが映画になりました。本当にありがとうございます」と、感慨深げに挨拶を行った。2016年のSeason1から、足掛け3年にわたって付き合ってきた馴染み深いキャストの姿をあらためてふりかえって感想を求められると「最初のときオーディションで彼らを選んだのですが、そのときから『何かをやってくれるだろうな』というニオイを各人感じていました。それを集めたらどういう変化が起きるとか、予測はできなかったんですけれど、やっていくうちに、こいつらテレビ(モニター画面)という小さな枠では収まりきれないな、と感じました。大きなスクリーンで、大きな音で、彼らの演技を表現できたら楽しいだろうなと思いながら、僕や田崎(竜太)監督、金田(治)監督が演出するものですから、彼らの心に火がついたんです。そこからだんだんステップアップ、レベルアップしていって、今日(の映画公開)に至ったという感じがいたします。心のうちに熱いものを持っている連中が、5人、10人、20人と集まっていくと、特に意図しなくとも、自然にこういう形になることを実感しました」と、ステージに集まった俳優陣、およびSeason1、Season2で熱い演技を見せた各俳優たちの心が集まった結果、大きな夢を叶えることができたことを熱い口調で語った。さらには「応援してくださった視聴者のみなさんの存在なくしては(映画化は)実現しませんでした。改めてみなさんにはお礼を申し上げます!」と、良質の作品を評価し、楽しんでくれた視聴者のおかげであることを今一度強調し、感謝の意を述べた。

ドラマ初主演となったSeason1の撮影から3年が経ち、俳優として飛躍的な成長を遂げた藤田に『アマゾンズ』とはどんな作品か?という質問が投げかけられた。藤田は「石田監督には芝居することの面白さ、谷口さんには芝居の世界の広さを教えていただきました。もう芝居がなければ生きていけないなというほど、芝居が好きになりました。これからも『アマゾンズ』を背負って生きていこう、芝居をしていこうと思います。本当に『アマゾンズ』は僕の人生の中で欠かせない、キーポイントというべき作品です」と一言一言を噛みしめるように語り、『アマゾンズ』完結を惜しみつつ、今後のさらなる飛躍に意欲を燃やしていた。

ここで、約2年にわたる『アマゾンズ』で共に戦ってきた藤田をねぎらう意味で、谷口から手紙が読み上げられるというサプライズが行なわれ、会場全体がどよめいた。

谷口が藤田に宛てたメッセージは次のとおり。「初対面や撮影現場での思い出はこの3年間でさんざん話しているし、ここへ来て最後に褒めまくるのも『アマゾンズ』らしくないから、撮影中1回だけ本気で富にキレていたことを告白します! おそらく話していないと思います。あれはシーズン1の撮影後半。富は疲労がピークだったんだと思う。慣れない芝居、主役の重圧、過密な仕事量、周りのキャスト、スタッフが陰で心配するくらい富は疲れてた。ただどんな状況でも弱さを見せないのが主役だよな。現場での富の立ち振る舞いに腹が立った俺は、苛立ちをぐっと抑えて、ここにいる俊藤さんに相談したんだよ。そしたらね、この人がね、『賢志の言う通りだ。富はちょっとおかしい。けどな、俺ら2人でもう少し見守ろう。で、駄目だったら2人で殴ろう』って言ってくれたんだ。助かったな富! そして、助かったな俺! あのときブチ切れていたら、リアル『アマゾンズ』になっていたかもしれないし、ニュースになって違う意味で『アマゾンズ』が有名になっていた可能性があるからな! まあ、俺や俊さんの心配をよそに、お前はアマゾン細胞を本当に持っているかのごとく、あっという間に本物の主役に、本物の俳優に成長していった。ついでにもう1つ告白すると、お前は『谷口さんのおかげ、仁さんのおかげで演技が好きになった、演技がもっとやりたくなった』と言ってくれるし、俺に勝つために頑張ってこれたと、事あるごとに言ってくれる。けど、お前の成長を喜び、そして心底怖がり、絶対負けないように必死に生きていたのは俺のほうだと思っている。人間は忘れていく生き物だから、様々なことをすぐに忘れてしまうし、いろんな大切なことをどんどん忘れていってしまうと思うけれど、俺は忘れない。藤田富。この名前を絶対に忘れない。富、出会ってくれてありがとう。『アマゾンズ』の片割れより。追伸。時代も時代だから、お互い不祥事には気を付けよう!」

先輩俳優として、よきライバルとして、仲間として、ときおりユーモアを交えて語られた谷口からの熱きメッセージを受けた藤田は「いやあもう、言葉にならないくらい凄く嬉しいです。あのときの態度、今でも反省することがあります。こうやって言葉にしてしっかり伝えてくれる仁さん、いや(笑)谷口さんは本当に僕の師匠だな、と思います!」と、しみじみ感謝の言葉を述べていた。

最後にひとことコメントを求められた谷口は、「僕はどうしても『アマゾンズ』で天下を取りたいですし、みなさんと時代を作りたい。これだけ多くの方が映画を観てくれているのが幸せです。本当にありがとうございます。そして(今後も映画の応援を)よろしくお願いします!」と、こみあげる感情を抑えつつ、大勢のファンに感謝の気持ちを伝えた。そして藤田は「みなさん今回は2Dでご覧になったと思いますが、この映画『最後ノ審判』は"4D"上映も行っています。通常の2Dとはまた違った楽しみ方ができるんじゃないかと思いますので、ぜひ4Dでも『アマゾンズ』の世界を堪能していただきたいです!」と、シーンに合わせて座席が動き、水(ミスト)やバブルが噴出するなどさまざまな連動ギミックで映画を「体感」できる4D(4DX/MX4D)での鑑賞を推し、舞台挨拶を締めくくった。

映画『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』は、丸の内TOEIをはじめとする全国劇場でロードショー公開中。