4月より放送中のTVアニメ『ヒナまつり』。ある日突然、若手ヤクザの新田義史の部屋に現れた超能力少女・ヒナ。行くあてのないヒナは新田の家に住み着いてしまい……ヤクザとサイキック少女の危険で賑やかな共同生活が始まる。
中島ヨシキ(なかじまよしき)。6月26日生まれ。神奈川県出身。81プロデュース所属。主な出演は『ヒナまつり』新田義史役、『アイドルマスター SideM』山下次郎役、『あんさんぶるスターズ!』南雲鉄虎役、『DYNAMIC CHORD』青井有紀役など |
今回は、新田義史を演じる中島ヨシキにインタビューを実施。新田が歌っているという設定のエンディングテーマ「鮭とイクラと893と娘」や、中島本人についてもたっぷりと話を聞いた。
▼ピンとこないままオーディションへ
――アニメ『ヒナまつり』は第5話まで放送済みですけど、アフレコはどこまで進んでいるんでしょうか。
実は3月の頭には全部終わっているんです。なので、キャストたちがしきりに「第二期をやってほしい」と言っているのはそれが理由ですね。僕たちの本業はすでに終わっているんです。アニメで観たい部分がまだまだあるので、放送前にも関わらず「第二期を!」と(笑)。
――そうだったんですね。ちなみに中島さんと『ヒナまつり』との出会いは?
ふだんから漫画をあまり読む方ではないので、オーディションを受けるときに原作を読みました。
――最初に読んだ時の印象はいかがでした。
シュール、でしたね。キャラクターの表情やコマ割り、間で笑わせにくる。なので、映像になってキャラクターとしてアフレコをするとどういう感じになるのか、ピンとこないままオーディションを受けました。実はオーディションでも手応えはなかったんですよ。
――原作での好きなシーンは?
特に印象に残っているのはコンクリ詰めにされる新田のシーンですね。大武政夫先生の絵に味があって、ページをめくった瞬間ドラム缶に詰められた新田が出てくるのは絵的にもパワーがありましたね。
▼シンパシーを感じるのは瞳
――新田を演じる上で意識されたことは?
特に気をつけたところはないんです。新田って見た目こそ金髪オールバックですけど、腕っぷしも強くないし、ヤクザっぽくないんですよ。インテリだけど、かといってクールというわけでもない。人間としてフラットなキャラクターですね。家に帰れば骨董品の鑑賞が趣味で、ご飯も作って、面倒見が良くて……という風にヤクザという肩書とのギャップがあったので、あまり硬派になりすぎず、声を低くしすぎず、ナチュラルに演じました。
――ヤクザヤクザしていないんですよね。
まわりにいる人があまりに怖いですからね。柴田秀勝さんや小山剛志さんが演じているヤクザたちのインパクトが強くて、ヤクザってこういうことかって説得力がある。サブみたいな下っ端もいますけど、新田自身が若手なので、あまり重厚感が出すぎないように気をつけました。
――アフレコ現場の雰囲気がそのままナチュラルに出るような。
そうですね。スタッフさんたちも力が入っていて、一つひとつのコメディシーンやモブキャラにもこだわりがあって、それを現場ですり合わせているんですが、そういった話し合いのときってキャストにとっては休憩時間になるんですよ。それがキャスト間の交友を深めるきっかけになったのかなって思います。僕とヒナ役の田中貴子さんもはじめましてだったんですけど、そのおかげで仲が深まりましたね。現場で急にしりとりがはじまるくらい、みんな仲が良いんですよ。
――しりとり……!?
ほかの現場ではありえないですよね。その言い出しっぺが剛志さんで、だいたいゲストに来た声優さんが困惑するという。あと、野島健児さんがはじに座られている時に、そこを田中さんとか日笠陽子さんとかりえしょん(村川梨衣)が、「野島さんはどうなんですか」って話を振って、「こっちに振らないでよ」みたいに、スタジオ全体で話をすることが多かったですね。
――かなり和気あいあいとしていますね。
現場が和気あいあいと楽しく、いろんな人と会話できるのも、田中さんのパワーがとても大きいです。大先輩にも臆せず話しかけますからね。でもそんな田中さんでも第1話のときはガチガチに緊張していましたけどね(笑)。アフレコのときに、すみっこに座っていて「キャスト表で一番上にいるんだから、こっちに来て」って真ん中に座らせたくらい。
――アドバイスとかをすることも。
僕も若手なんですけど、多少先輩ということや、ヒナと新田という役柄もあり、相談することはありましたね。
――好きなキャラクターは?
僕が女性声優だったら(三嶋)瞳を演じてみたいなって思いましたね。ポジション的には新田と似ているんですよね。瞳はヒナの学校でのお世話係やツッコミ役ですし。シンパシーを感じることがあります。