Amazonプライム・ビデオにて配信中の連続ドラマ『仮面ライダーアマゾンズ』(Season1、Season2)の完結編にして初の劇場用新作映画『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』(監督:石田秀範)が、2018年5月19日より全国劇場にてロードショー公開される。

東亜優(ひがし・あゆ)。9月21日生まれ。和歌山県出身。フジテレビ「15歳のブルース」(2005年)で女優デビュー。映画『トカゲ飛んだ?』(2006年)、『赤い文化住宅の初子』(2007年)など、映画・ドラマ・CMに多数出演。『仮面ライダードライブ』(2015年)第18、19話にもゲスト出演している。撮影:大塚素久(SYASYA)

大手製薬会社の実験から生み出された人工生命体「アマゾン」。彼らは人間の姿になって社会に潜伏しているが、人間の肉を食らう本能に目覚めると凶暴な怪物に変貌してしまう。人間であり「アマゾン」でもある2人の男、水澤悠(演:藤田富)=アマゾンオメガと鷹山仁(演:谷口賢志)=アマゾンアルファは、人間を守るため「アマゾン」と戦う宿命を背負っているものの「アマゾンでも人間でも、守るべき者を守りたい」という悠と、「自分を含むすべてのアマゾンは問答無用でこの世から消し去る」という仁の考えは真っ向から対立。Season1の最終回(Episode13)でアマゾンオメガとアマゾンアルファは1対1の決闘を行うが、その決着はつかず。2人の争いは映画『最後ノ審判』にまで持ち越されることになった。

ここでは、命を懸けた凄絶な戦いを繰り返す鷹山仁を常に優しく包み込む最良・最高のパートナーとして、映画『最後ノ審判』でも強い印象を残している泉七羽を演じる東亜優に、Season1、Season2撮影時の思いや、『アマゾンズ』という作品そのものが持つ魅力の数々について、熱く語ってもらった。

――『アマゾンズ』の"完結編"が映画で作られるというニュースがまずあって、その後に東さん演じる七羽の出演が発表されたとき、TwitterなどのSNSでかなりの『アマゾンズ』ファンの方たちから反響があったのが、とても印象的でした。

そうですよね! 映画に出演するよ、と最初に聞いたとき、私自身もザワつきましたから(笑)。実はSeason2の最終回(Episode13)で"あんなこと"になってしまって、もう次があっても私の出番はないんだな、出たくても出られないのかな、って覚悟をしていましたので、出演することになってびっくりしました。

――マイナビニュースにて前回、東さんにインタビュー(谷口賢志さんとの対談)させていただいたときは、Season2の配信が始まったばかりだったので、ストーリーの核心に迫るような話題に触れるわけにもいかず、東さんご自身も「言いたかったのに言えない」みたいな雰囲気がありましたね。

そうでした。あのときのこともよく覚えています(笑)。

――Season2の物語は、新たなライダーであるアマゾンネオに変身する千翼と感情を失くした少女イユを中心に展開していましたが、仁や悠、七羽など、Season1の中心人物もぞくぞく再登場して、Season2からのキャラクター陣と関わることにより、濃密なドラマが生まれていきました。撮影されているときは、ご自身(七羽)がどんな風に物語にかかわるのか、最初からご存じだったのですか?

そんなことはなかったんですよ。撮影に入る2週間前に台本をいただく、という感じでしたから、先のことは誰にもわからないという……。Season2の第1話では子ども時代の千翼と接する"千翼の母"として出ていますが、エンドロールでは「???」となっていて、七羽の存在そのものが伏せられていたんです。第7話で姿を現すまで、七羽はどうなっているのかな……と、自分でも心配でした。

――Season2の第8話では、Season1の最終回から5年の間に、仁、七羽、悠たちにどんな出来事があったのかが回想という形で明らかにされましたね。

思い出深いシーンです。七羽のお腹の中に子どもがいることを仁さんが知る、というくだりはほぼ1日かけて撮ったのですが、海辺の夕焼けがとてもキレイで印象に残っています。映像でも、とても素敵な画になっていて、そこで七羽が仁さんに「ずっと泣いているのがわかったから、ほっとけないでしょ」と語りかけるんですけれど、映像の美しさもあって、忘れられないシーンになりました。

――Season2の中で、お気に入りのシーンを挙げるとしたら?

一番好きなシーンがあります。第8話のラストで仁さんが千翼に笑顔を向けつつ「お前を殺しに来た……」とささやくところ。あそこに主題歌のイントロが、またいいところでかかるんですよ。「ウォ~、ウォ~ウォ~ウォ~~ウォ~♪」って。もう、これまで何度もそのシーンばかりリピートして観ました。好きなシーンを何度でも観られるのは、Amazonプライム・ビデオのいいところですね(笑)。

――東さんご自身もAmazonプライム・ビデオの配信でご覧になっていたんですね! Season1からSeason2に継続して出演されている東さんにお尋ねしたいのですが、Season1のときとSeason2とでは、撮影現場の雰囲気に違いがあったりしましたか?

Season1のときはキャストもスタッフさんも初めて顔を合わせる方ばかりで、それこそ「石田(秀範)監督、恐いなあ」なんて思っていたんですけれど(笑)、Season2では、キャスト、スタッフみんなの関係性が出来上がっていて、お互い信頼しあっているな、という空気がありました。だから、殺伐さはまったく感じなかったんです。

――配信で何度も『アマゾンズ』を観ているという東さんですが、二度目、三度目の視聴のときはどういった部分に着目しているのですか。

そうですね~。最初は普通にストーリーを追いかけているんですけれど、二度目では最初観ていて気づかなかった細かい部分に気づいたりして、「ああ、あのとき私は現場でこんな動きをしていたんだなあ」とか。自分が出ているシーンはもちろんのこと、他の方の演技をチェックするために、何度も観返してしまいます。特に、駆除班のみなさんがテンポのいいかけあいをするところとか、細かいやりとりの部分がとても興味深いですね。

――5月19日より公開の映画『最後ノ審判』に先がけて、Season1の総集編「覚醒」、Season2の総集編「輪廻」が劇場公開されます。これらの総集編を観られたご感想をお願いします。

総集編もすごく良かったですね。でも、すべてのエピソードをよく知っているだけに、カットされてしまったところがもったいないかな~って(笑)。せっかくだったら、配信で全話をそのまま観てほしいと思ってしまいますね。でも、総集編のいいところは、Season1、Season2のストーリーがギュッと凝縮されているところです。配信作品を全話観ているファンの人たちにも、違った楽しみ方ができる映画になっています。

――それでは、映画『最後ノ審判』についてのお話に移りたいと思います。完成した映画はもうご覧になりましたか。

観ました! 普段はテレビ画面やPCモニターでしか観られない『アマゾンズ』を劇場の大きなスクリーンで観られるというのは、迫力の面でまったく違う気がしました。もともと、映画っぽい作りだと思っていましたし。でも今度の映画は想像以上で、音楽も音声も臨場感が増して、本当にのめりこんで観ることができました。

――冒頭でもお話しされていましたが、七羽さんの出演場面についてはいかがでしたか?

観る前まで、ずっと不安だったんです。七羽としてはSeason2の最終回で完結しているから、ご覧になるお客さんの目にはどう映るのだろうと……。つまり、あの最終回以上に、きれいな終わり方ができるのだろうか、と思っていたんです。でも、映画を観て、ああ、これでよかったなと素直に思うことができたんです。以前のインタビューでは、Season1の最終回で終わるのが、いちばんキレイな終わり方だって言っていましたけれど、あそこからSeason2でのラストを越えて、とても美しい幕引きの場を作ってもらえました。

――もう画面では観ることができないかな……と思っていた七羽さんの姿を、もう一度観ることができてうれしい『アマゾンズ』ファンはとても多いと思います。それが、発表時点での反響に表れているんですね。

そう言っていただけてうれしいですね。自分としては、公開の日が来るのが楽しみでもあり、怖くもあり……(笑)。

――いざ映画の公開の瞬間を迎えると、また心境が変化するかもしれないですよ。

いずれにせよ映画で完結してしまいますので、これで終わりというのは感慨深いですね。一視聴者としては、寂しいものがあります。