定期預金とは、みなさんもご存知の通り、一定の決まった期間預金口座に預金を預け、その間に金利が付く預金のことです。普通預金の金利はメガバンクでも0.001%と超低金利時代の今、少しでも金利の高い定期預金は魅力といえます。

しかし、定期預金は一定期間の期限が来るまでは原則引き出すことができないため、もしものときの急な出費の際には引き出すことはできません。定期預金ほど長く預けたくはないけれど、ただお金を眠らせておくだけではもったいない。かといって投資も不安で自信がない。そんな人におすすめなのが、「超短期定期預金」です。今回はこの超短期定期預金についてご紹介します。

超短期定期預金とは?

超短期定期預金とは、その名の通り、預ける期間が超短期の定期預金です。超短期なので一定期間が1週間から2週間ほどの定期預金になります。

通常の定期預金は、1カ月、3カ月、1年、3年など1カ月から数年の一定期間預けて、その期間は引き出すことができない代わりに、普通預金よりも高い金利を得ることができます。

しかしながら、高い金利を得るには長い期間預けたり、大きな金額を預けたりする必要があります。長い期間預けたり、大きな金額を預けた方が金利が高いというわけです。つまり、定期預金で高い金利を得るにはその分手元のお金の自由度がなくなることを意味します。さらに、超低金利時代の近年では定期預金自体の金利も下がってきており、そのため、あまりおトクとはいえないのが現状です。

そこで注目したいのが超短期定期預金です。1週間から2週間のという短いスパンで預けることができるので、これによって定期預金なのにお金の自由度が増すというわけです。もしものときでも1週間、2週間の一定期間が過ぎればお金を引き出すことができます。また、超短期定期預金は、インターネット銀行が中心で、比較的金利も高く設定されています。

実際にどこで申し込める?

それでは実際にどこで申し込むことができるのでしょうか。

現在超短期定期預金を扱っている主な銀行と商品名は以下のようになっています(2018年3月現在)。

  • 超短期定期預金を扱っている主な銀行と商品名

基本的にどこもインターネット銀行で、インターネット上で手続きを終わらせることもできます。

超短期定期預金のメリット

それでは超短期定期預金のメリットとデメリットは何なのでしょうか。

メリットとして挙げられるのは以下のような点です。

■超短期定期預金のメリット
・預ける期間が短期のため、お金の自由度が増す
・普通預金よりも金利が高い
・自動継続機能を活用できる
・比較的リスクが少ない

上記でも述べたように、超短期定期預金は、預ける期間が短期なので、手元に少し余った余剰資金を気軽に預けるといったことができます。例えばボーナスが入っても、しばらく使わない場合、1週間か2週間超短期定期預金の口座に入れておけば、普通預金にただ置いておくより金利が高いというわけです。

3つ目の自動継続機能ですが、これは超短期定期預金が満期を迎えた際に、またその資金を超短期定期預金の口座に入れ続ける手続きを自動で行う機能のことを指します。そのため、例えば1週間預けて満期を迎えた際に、この機能を設定しておけば手続きなしで1週間定期預金口座に預け入れることができます。

この機能を活用することで、月曜日から日曜日まで各曜日に10万円超短期定期預金に預け入れて、急に必要になった場合その曜日分からお金を引き出すといった、普通預金と変わらないような扱いをすることもできます。

また定期預金自体、投資などとは違い元本割れすることはありません。そのため比較的リスクが少ないといった点が挙げられるでしょう。

超短期定期預金のデメリット

デメリットとして挙げられるのはといった点です。

■超短期定期預金のデメリット
・金利の変動に振り回される
・毎回受け取れる金額は少ない
・こまめに管理しないといけない

確かに自動継続機能は便利ですが、その際に金利は変動する可能性もあります。もし契約途中に金利下がった場合、その変化に振り回されあまり多くの利益を得ることができない可能性もあります。

金利が高いといっても預け入れる期間自体は短いので受け取れる利益は大きくはありません。例えば、オリックス銀行の「eダイレクト2週間定期預金」に100万円を預けたとしても、受け取れる利息は19円です。これを繰り返していけば金額は大きくなりますが、やはり1回ごとの利息は少額です。

少ししか利用しないのであれば、手数料の方が高くなるといった可能性もあります。また、1週間、2週間はあっという間に過ぎてしまうので、こまめに管理できる人でないと超短期定期預金を有効活用するのは難しいかもしれません。

以上のように、超短期定期預金には様々なメリットとデメリットがありますが、お金を通常の口座に寝かせておくよりもこういった金融商品を利用する方がおトクです。比較的リスクも少ないので、一度利用してみると使い勝手がわかっていいかもしれません。新生活で家計管理を始めるときに是非、超短期定期預金を活用してみてください。

  • 回遊舎

回遊舎

"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」「J-REIT金メダル投資術」、「NISA120%活用術」、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」、「子育てで破産しないためのお金の本」など。