使用期限と聞いて、ふと「開封した後の期限はどうなっているの?」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。食品や飲料を例にとってみると、賞味期限が明記されていながらも「開封後はお早めにお召し上がりください」といった記載もされていますよね。化粧品も、開封前と開封後で使用期限が変わってくるものでしょうか。

答えは「YES」です。使用期限の記載がある化粧品に関しては、開封後の使用期限は添付文書などに記載されていることがあります。商品によって異なりますが、2~3カ月と記載されている例が多いようです。

使用期限は「最終的に使用できる期限」として記されているのであり、開封期限と同意ではありません。2018年4月が使用期限のものを4月に開封したら、それから2~3カ月は問題なく使用できるという意味ではないです。あくまで、化粧品が適正な効果を発揮できる期限が2018年4月までということなのです。

仮に使用期限を過ぎていても、未開封ならば使用しても大丈夫かと問われると、その答えは配合されている成分によって異なります。有効成分の有用性などを考慮して使用期限を記載しているアイテムは、使用することで期待される本来の効果が得られない可能性があるため、お勧めできません。また、使用期限の記載のないもので、3年以上経過している可能性のあるものについても、成分によっては変性し皮膚のダメージの原因となることも考えられます。

化粧品の適切な保管方法とは

先ほど「開封後の使用期限は2~3カ月が目安となっていることが多い」とお伝えしましたが、この期間は「適切な使い方と保管」をしていた場合に限ってのお話です。押さえておきたいポイントをご紹介しますね。

保管場所ですが、冷暗所保管を推奨しています。一般的な定義として、冷暗所とは「室内で温度が低く一定に保たれ、直射日光が当たらない場所」とあります(冷蔵庫ではありません)。つまり、気温の変動が激しい場所や湿度が極端に高かったり低かったりする場所は、化粧品の保管には不向きということです。

次に使用方法ですが、ポイントは2点あります。1つ目は「使用時は清潔であること」です。手指などは十分にきれいに洗い、使用するスポンジやコットン、スパチュラなども清潔にしたものを使用します。容器から内容物を出す際は指を入れず、スパチュラなどで取ってから使用するようにしましょう。

2つ目は「容器は毎回しっかりと閉める」です。内容物が外気に触れると、品質が変性する恐れがあります。密閉式ポンプタイプのものや、チューブが一度押すと戻らないようになっているアルミラミネートチューブなどは、より安心感があると思います。

こういった適切な使用や保管を怠ると、化粧品の品質低下を招き、お肌のトラブルの原因になる可能性があります。注意するようにしましょう。