ところで、化粧品は女性の「お泊まりセット」の必須アイテムでもあります。旅行やお泊まりデートなどの際に重宝するのが、デパートの化粧品サンプル。使い切りサイズで携帯に便利なこれらの試供品も、実は使用期限が記載されているものがあるのです。

ただ、試供品のパッケージはより簡素化されているため、正規の製品よりも密閉度が低いといった問題をはらんでいる可能性があります。使用する時期は早いに越したことはありません。刺激などが気になる場合は、腕の内側などに塗布してみて、赤みが出ないかなどの確認をしてからお顔に使用するのがよいでしょう。

また、海外旅行のお土産としてちょっとしたパックなどをもらうときもありますよね。そういったものは、成分が確認できない場合は使用を控えた方がよいかもしれません。

というのも、同じ化粧品ブランドでも、本国(海外)で売っているものと日本で輸入販売しているものでは、含有成分が異なるケースがあるからです。海外で購入できる化粧品には、日本の厚生労働省が認めていない成分が入っている可能性があることを覚えておきましょう。

使用を控えるべき目安とは

これまでにお伝えしてきたとおり、使用期限が記載されていない化粧品は「製造から3年以上は品質が変わらない」ことが担保されています。ただし、いつ製造・輸入されたのかが不明ならば、どの時点で製造から3年が経過する(した)のかもわかりません。

使用期限が過ぎた化粧品の使用は、にきびやかぶれとったお肌のトラブルにもつながりかねません。そのようなリスクや不安を抱えたまま、毎日化粧品を使いたくないですよね。

そこで、以下に一部化粧品の使用を控えるべき判断基準を記しておきました。あくまで一つの目安としてご参考にしてくださればと思っております。

アイシャドウなどのメイクアップ化粧品

ファンデーションなどを塗った上から使用することが多いので、その成分がブラシなどからアイシャドウなどのメイクアップ化粧品に混入していると思っておいたほうがいいでしょう。とくにアイシャドウは目元の敏感な皮膚に使用するため、十分な注意が必要です。

判断の目安は難しいですが、色が変色していたり、匂いがおかしかったりすれば控えたほうがよいでしょう。また、使用時にかゆみなどの違和感を覚えたら、やはり使わない方が無難です。

マスカラ

マスカラなどは、スキンケア化粧品の成分や涙などの成分も混入しやすいです。他の化粧品と同じく、開封から3カ月くらいを目安に使い切るとよいかもしれません。メイクのお仕事をされる方は「1カ月で新しいものにする」とおっしゃっています。カスカスに乾燥してくると使いにくいということもあり、やはり早いうちに使った方が賢い選択と言えるでしょう。

マニキュア

マニキュアは、揮発してきて粘性が増し、使いにくくなった時期が成分的に使用を控える目安になるでしょうね。

※写真と本文は関係ありません

取材協力: やながわ厚子(ヤナガワ・アツコ)

美容皮膚科・美容外科・形成外科。En女医会所属。
美容皮膚科クリニック ヤナガワクリニックの院長を務める美容のエキスパート。
美容医療や化粧品やに詳しく新しい美肌治療や化粧品や食事やサプリメントもふくめてカラダの中からも美肌を目指す。二児の母でもある。

En女医会とは
150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加している会。さまざまな形でボランティア活動を行うことによって、女性の意識の向上と社会貢献の実現を目指している。会員が持つ医療知識や経験を活かして商品開発を行い、利益の一部を社会貢献に使用。また、健康や美容についてより良い情報を発信し、医療分野での啓発活動を積極的に行う。En女医会HPはこちら。