職場で「問題だらけだ」「課題が山積みだ」なんて言葉を耳にする人も多いと思いますが、実は、この「問題」「課題」という言葉、ビジネスシーンでは明確な違いがあるのをご存知ですか? 今回は、ビジネス用語としての「問題」と「課題」の違いをご紹介します。

■「問題」と「課題」の意味

それぞれの意味を調べてみると、「問題」は、「答えさせるための問い。解答を必要とする題」「研究・論議して解決すべき事項」と記載されています。一方「課題」は、「課せられた題・問題」「解決しなければならない問題。果たすべき仕事」となっています。

■ビジネスシーンにおける「問題」と「課題」

辞書に掲載されている意味だけでは、両者の違いは明確にはわかりませんが、ビジネスシーンにおける「問題」と「課題」には、明確な違いがあります。

  • 「問題」は、組織が目標とするものと、現状との間にあるギャップのことで、目標達成のために、解決しなければならない事柄です。
  • 「課題」は、目標と現状とのギャップを埋めるために、やるべきこと。問題を解決するために起こす具体的なアクションです。

ここで、いくつかの例をあげて、両者の違いを確認してみましょう。

レストランの集客

「目標」:一日の来客数300名を目指す。
「現状」:一日の来客数は200名程度である。
「問題」:目標よりも100名ほど少ない。
「課題」:DMの配布エリアを拡大する。新メニューを考案する。

掃除機の開発

「目標」:掃除機の重さを2kgにしたい。
「現状」:掃除機の重さは3.2kgある。
「問題」:目標よりも、1.2kg重い。
「課題」:本体や部品を一回り小さくする。なるべく軽い素材に変更する。

ビジネスは、常に何らかの目標を掲げているものです。目標を達成するためには、その途中で起こる「問題」を明らかにし、一人ひとりがその問題を解決するべく「課題」を抽出し、実行することが重要です。


今回は、ビジネス用語としての「問題」と「課題」の違いについてお話ししました。なぜ上手くいかないのか、何が問題なのか、どうしたらいいのか、何をするべきなのか。「問題」と「課題」がぼやけていては、ビジネスは成功しません。「問題」と「課題」を明確にし、早期の問題解決・目標達成にしっかりと繋げていきましょう。