成田国際空港は3月15日、空港処理能力向上後の効率的かつ円滑な運用を確保するため、A滑走路北側に新たに約560mの誘導路(ホールディングベイ)を整備することについて、航空法第43条に基づく空港の変更許可申請を行ったことを発表した。

  • ホールディングベイの導路帯ならびに整備に伴う既存施設の移転先等を確保するため、空港の敷地範囲を約26ha拡大させる

    ホールディングベイの導路帯ならびに整備に伴う既存施設の移転先等を確保するため、空港の敷地範囲を約26ha拡大させる

同社では、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会や首都圏の国際競争力強化、訪日外国人旅客の更なる増加に対応するため、時間当たりの空港処理能力(時間値)を現行の68回から72回へ向上させる取り組みを実施。このほど、時間値向上後の効率的かつ円滑な運用の確保を目的として、A滑走路北側にホールディングベイを整備するため、今般、航空法第43条に基づき、国土交通大臣へ申請を行った。

ホールディングベイとは、離陸機が待機するための滑走路端部の誘導路であり、離陸機の離陸順の入れ替え等に用いることができる。今回の変更許可申請では、A滑走路の北側に新たに約560mのホールディングベイを整備すること計画している。このホールディングベイの導路帯ならびに整備に伴う既存施設の移転先等を確保するため、空港の敷地範囲を約26ha拡大させる。申請上の工事の完成予定期日は2022年9月30日となる。

成田国際空港はエコ・エアポート基本計画に基づき、同整備による周辺環境に与える影響について事前に把握し、周辺環境の保全を図っていくため、自主的な環境影響調査を実施した。環境取りまとめのあらましや環境取りまとめ本編及び参考資料を公表しており、概要としては、工事中・供用後における周辺環境(大気環境、水環境、景観等)に与える影響は、調査、予測及び評価を行った結果、周辺環境への影響は小さいものとなったと報告している。

同調査結果(環境取りまとめ)は4月20日まで(土日祝日を除く、9~17時)、NAA本社ビル情報コーナーやNAA北地域相談センター、NAA南地域相談センター、成田市役所空港部空港対策課で公表している。また、インターネットでも公表しており、環境保全の見地から意見のある人は、FAX・メール・郵送にて受け付けている(FAX・メールの場合は4月20日17時まで、郵送の場合は4月20日の消印まで有効)。提出先など詳細は、成田国際空港のサイトを参照。