日本マクドナルドは今年も、春の定番商品である「てりたま」を発売した。新たに加わる「はみだすハムてりたま」は、昨年の「ギガベーコンてりたま」に続きインパクト十分な一品だ。昨今のマックを見ていると、“垂直展開”の商品展開が奏功しているような印象を受ける。
ダブルチーズバーガーで考える最近のマック
春の定番商品として1996年に初登場した「てりたま」。基本ラインアップである「てりたま」「チーズてりたま」の2商品は今年も健在で、今回は「はみだすハムてりたま」という新商品が加わった。定番商品として変化は少ないものの、その分、ファンは安心して注文できる商品となっている。
近年のマックの商品戦略を見ると、昨年の「グラン」シリーズであったり、今年の「ダブルチーズバーガー」に関する新しい切り口の訴求であったりと、ベースとなる基本商品からの垂直展開によるラインアップが増えている感じがする。
ダブルチーズバーガーの場合は、パティやチーズの数量を増やしたり、チーズの種類を変化させたりして、価格的には高価になるのだが、意識させないような仕掛けを展開している。「対決」というキーワードを用いるなどの工夫も見られた。
ベースの商品があってこそのアレンジ商品
今回の「てりたま」においても、マックは同様の戦略を展開しようとしている。基本となるベースの「てりたま」に、とろけたチーズを加えた「チーズてりたま」。そして、はみでるおいしさを武器に新しく登場する「はみだすハムてりたま」だ。昨年の2つ折りベーコンが好評だったことを受けて「はみでる見栄え」を意識したのか、今回の新商品では厚さ5ミリのハムを大胆に使用している。
昨年同様、紙のラッピングなので持ちやすいのも「てりたま」の特徴だ。もしボックスで提供していたら、せっかくの照り焼きソースや商品のボリューム感などが視覚的に伝わらなかったことだろう。「てりたま」は素材の組み合わせを生かし、咀嚼することによって本来のおいしさを楽しむことができる商品という印象だ。要は、かぶりつく食べ方のほうが、お勧めできる味わい方なのだ。はみ出すインパクトは、SNSでも“ばえる”のではないだろうか。