日本の充電インフラ整備にも目を向けるポルシェ

ミッションEの日本導入は、東京オリンピックの2020年前後あたりか、しばらく先となるようだ。導入までには電動車の受け入れ態勢を整えたいと七五三木社長は語る。

「テスラの例を耳にしたのですが、お客様の4割ほどは自宅に充電設備を持っていないとのことです。したがって、充電インフラの整備が重要であると思っています。ただし、それを1社でやるのは大変ですから、フォルクスワーゲングループとして充実させていければと考えています」

具体的には、ディーラーやサービス拠点に充電器の設置を進めるという。

  • ポルシェ ジャパンの七五三木社長

    日本で電動車の受け入れ態勢を整えたいと語った七五三木社長

充電設備の設置に日本独特の課題も

日本は、高級車や高性能スポーツカーを所有する富裕層も、マンションなど集合住宅に住む例が都市部では多く、一方で、既存の集合住宅の駐車場への充電設備の設置は、管理組合の合意を得なければ難しい状況にある。また、充電設備を利用した人に対する料金の徴収に認証機能などが必要となるため、急速ではない200Vの普通充電においても、高額の充電器を設置する必要がある。

戸建て住宅であれば、数千円の200Vコンセントに加え、配電盤からの配線工事であれば数万円から10万円程度で充電設備を設置できる。ところが、集合住宅では設置する上で課題があり、EV所有者が自宅に充電設備を設置できない比率が高い。

この状況を打破するため東京都は、集合住宅への充電器設置の費用と、管理組合などでの合意形成の支援を都として行うと、2018年の初めに表明した。