女優の沢口靖子が主演するテレビ朝日系ドラマ『科捜研の女』(毎週木曜20:00~)が、3月15日の放送で200回を達成する。このほど、東映京都撮影所で共演の内藤剛志とともに取材に応じ、偉業達成の喜びとともに、この長寿シリーズを振り返った。

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沢口靖子(左)と内藤剛志

京都府警科学捜査研究所(通称・科捜研)の法医研究員・榊マリコ(沢口)を中心とした、ひと癖もふた癖もある研究員たちが、専門技術を武器に事件の解明に挑む姿を描く同作は、1999年10月にスタートし、現在「sesaon 17」に突入。現在続いている連続ドラマの最長記録をし、ついに放送200回に到達する。

この偉業に、沢口は「今シリーズの中で200回を迎えることは聞いていたんですけど、実際、手にした台本に『放送通算200話』という文字を見まして、思わずこみ上げてくるものがありましたね。こんなに息の長い作品で愛されることに本当に感謝してます」と感想。ここまで続いてきた秘けつを聞かれると、「毎シーズン新鮮に感じられる練られた脚本の面白さ、最新の科学を駆使して事件が解明されていく面白さ、そして登場人物に深く迫っていくところだなと思います」といい、「台本を読んで、時々『私もこの犯人役やりたいな』って思う時もあります(笑)」と、魅力的に感じることもあるそうだ。

自身の性格は「おっとりしていて慎重派(笑)」というが、マリコという役柄については「真実を突き止めるまでの決して諦めない姿勢はずっと貫いてきました。思考のスピードが早くて、行動派でテキパキとした感じを表現できるように心がけてきましたね」と、演じるにあたって意識してきたそう。

ここまでの長期シリーズとなると、描かれ方にも変化があるといい、「当初のセリフでも『科学はウソをつかない』と100%信じていて、科学一辺倒に傾いている人から始まったんですけど、たくさんの事件をへて、シリーズを重ねる中で、人としても成長し、視野が広がって、人間を優しく見つめるようになってきましたね」と、"進化"を語った。

"進化"の面でいうと、最先端の科学捜査技術が常に取り入れられているが、「実は、現実の捜査よりも、ドラマの方が半歩リードしてるんです」と紹介。「実際に、未来にこういう捜査ができれば、もっと犯罪が減るだろうなと思いますし、悪いことをしようとする人がドラマを見た時に『あ、これはヤバいな…』と感じて、犯罪抑止にもなってるんじゃないかなという思いはありますね」と、社会貢献的な側面にも期待した。

内藤も「DNA鑑定とかって、初めの方はそれほど証拠の力を持ってなかった気がするんですよ。どんどん進化しているので、毎年シーズンに入ると、いち視聴者になって『ここまでくるのか』と驚きながら読んでます。この進化というのは終わりがない気がするので、もう悪いことは絶対できなくなると思います」と同調していた。

沢口は、NHKの朝ドラ『澪つくし』(1985年)に出演してから、10年くらいは「かをるさーん」とヒロインの役名で声をかけられていたそうだが、「最近は『科捜研見てます』と言われます。東京で別の刑事ドラマをやった時に『科捜研ですか?』って言われたこともあったんです(笑)。1年に一度は出会うマリコという役は、大げさかもしれないですけどライフワークのような存在になっています」という。

「派手な仕掛けはないけれど、きちんと科学と人間を描いているというところがとても好きで、とても素敵なセリフも届けていける。この作品に携われて、女優として非常に充実した毎日を送らせていただいています」と笑顔を見せながら、「1日1日が勝負でありますので、充実したものをお届けした先に、(放送回数の)数字がついてきたらいいなと思います」と、今後もマリコ役を演じていくことへの意気込みを語った。